余命宣告

余命宣告は医学部の授業では習わない.また卒後教育のカリキュラムにも載っていない.もし載せている病院があるとしたら,そんな怪しげな病院は避けた方がいい.余命宣告は占い師の仕事であって医者の仕事ではない.

人は「自分は死ぬまでは生きているだろう」と思う.ところが肝心の自分の死ぬ時期が「いつまで経っても」わからないものだから,「あなたの余命は○ヶ月」とか言われると突然に慌て出す.そういう人間が集まった組織では組織行動として同様のことが起こる.→関連記事

私 は人が慌てているのを見るのは好きではない.ましてや自分がその人を慌てさせるようなことはやりたくない.だから余命宣告などやらない.そんなことがわか るぐらいなら,疾うの昔に医者を辞めてノストラダムスの向こうを張り,偉大な予言者として大勢の信者から金を巻き上げるか,ウォーレン・バフェットの向こ うを張って世界一の資産家になっていたはずだ.

他者に対する余命宣告能力の有無にかかわらず,人は歳を取る.歳を取るにつれて,自分に対する余命宣告能力は向上する.歳を取ることの最大の利点は,自分の人生の店じまいの時期を明確に意識して生きられることである.

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