バルタン星人現る

厚生省の”医薬品産業の将来像懇談会”は,6月26日,薬剤費の抑制には,製薬会社の合併吸収により,価格競争力をつけさせる必要があると提言した.これは何も私がお説教したわけではない.

いまさら何をかいわんやだが,少なくとも,動きは出てきたわけだ.それにしてもお役所の諮問機関が民間会社にリストラの勧告をするとは,護送船団主義ここに極まれりの感がある.民間企業ならば,自分たちで危機を感じて,合併なり,買収なりするのが本来の姿だろうに.何しろ,この不景気の時代に,製薬会社は過去30年間も倒産がないのだというから,恐れ入る.

海外の製薬会社は,すでに4-5年以上前から整理統合に動いている.ヘキストとマリオン・メレル・ダウ,グラクソとウェルカム,チバとサンド.すでに強力な新薬開発力を持った巨大な企業同士が合併して,化け物の様な会社が出来上がっている.日本の製薬会社が束になってかかっても,こいつらには太刀打ちできない.バルタン星人対ウルトラ警備隊(地球防衛軍だったっけな?大事なことを覚えていないなあ.年はとりたくないもんだ)みたいなもんである.日本の製薬会社は石炭産業の道をたどるしかない.

しかし日本から製薬会社がなくなってしまえば,厚生官僚の仕事も貴重な天下り先もなくなってしまう.金の卵を生む鶏を見殺しにするわけがない.競争原理導入の錦の御旗のもと,官僚主導でどのような整理統合が行われるのか,とくと拝見しよう.

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