バンコマイシンは、ペニシリン耐性の肺炎球菌感染の治療の最後の手段である。E Tuomanenたちからの報告で、バンコマイシンを含めたさまざまな抗生物質に対する耐性の分子基盤が提出された。VncSタンパク質は細菌の抗生物質感受性に不可欠だと見られているが,彼らはこのタンパク質を指令するvncS遺伝子を発見したのである。VncSの欠失や機能異常が、細菌のバンコマイシン耐性ひいては抵抗性の中心的な要因だという。
R.NOVAK, B.HENRIQUES, E.CHARPENTIER, S.NORMARK&E.TUOMANEN.Emergence of vancomycin tolerance in Streptococcus pneumoniae. Nature 1999;399 (6736) :590-593