嘘つき村にやさしい新聞。
絶望した人に冷たい政治。
困った人にやさしい政治。」は,嘘つき村の巨大利権を実現した政党のスローガンである。私の拙い記憶によれば,「困っている人にやさしい政治」をスローガンに掲げていたはずの政党は,路線を180度転換したことになる。困った人の集団である嘘つき村によるでっち上げのおかげで,店を,仕事を失い困窮極まった人々は,1939年8月の独ソ不可侵条約に直面した各国共産党と同様,見事に裏切られたのだ。さらに,裏切られたのは失業者だけではない。精神疾患患者とその家族も同様だ。

嘘つき村にやさしい新聞
2類感染症である結核は入院と退院の基準が決まっている。結核病棟も整備されている。病床も足りないどころか余裕がある。何しろ精神障害を有する結核患者の治療についてモデル事業が行われているぐらいだ。それに対して,結核どころかエボラよりも怖い病気と感染症法が定める新型コロナウイルス感染症に罹患した精神疾患患者の6割以上が感染症指定医療機関に転院できなかった。そのうち少なくとも3人が死亡していた。一体誰の責任なのか?もちろん精神科病院に責任はない。一義的な責任はひとえに5類を潰し新コロVIP待遇をでっち挙げた嘘つき村にある。インフルと同様の扱いにさえしておけば,こんな犠牲を払わずとも済んだのに。
---------------------------------------------
精神科に入院中の患者、感染者6割が転院できず…「精神不安定な人は安静保てない」などと拒否  読売新聞 2021/04/13
 全国の精神科病院に入院中に新型コロナウイルスに感染した患者のうち、6割が治療設備の整った別の病院に転院できなかったことが、日本精神科病院協会の調査でわかった。重い精神疾患の患者は重症化のリスクが高いとされており、同協会は自治体などに迅速に転院できる体制の整備を求めている。
 同協会は昨年3月〜今年1月会員病院1192病院を対象に調査を行い、524病院から回答を得た。入院患者や職員に感染者が出たと回答したのは2割に当たる114病院だった。感染した入院患者1012人の転院状況を尋ねたところ、感染症指定医療機関などに転院できなかった患者は62%に当たる631人に上った。8割が軽症者だったが、重症者も1人含まれていた(後略)。
----------------------------------------------
記事中にある通り,日本精神科病院協会による調査が行われたのは2020年3月から21年1月にかけてであり,その結果は1ヶ月以上も前に発表されていた。
-----------------------------------------------------------------------
コロナ感染の精神科入院患者、6割転院できず 死亡事例も SankeiBiz 2021/3/13
精神科病院に入院中に新型コロナウイルス感染が確認された約千人のうち、6割が感染症治療のための転院ができなかったことが、日本精神科病院協会(日精協)の調査で分かった。日精協によると、精神疾患のある患者は日頃から対応が難しいと見なされ転院しにくい傾向があり、コロナ禍で拍車が掛かった可能性がある。死亡事例やクラスター(感染者集団)発生も報告されている。日精協の調査によると、コロナ陽性者が出たのは114病院。患者数1012人のうち、転院できなかった人は631人だった。転院できなかった人の内訳は、軽症499人、中等症92人、重症1人。無症状も39人いた。日精協は死亡した人の統計を取っていないが、自由記述の部分には「(転院できず)3人が亡くなりました」「転院先で死亡。もう少し早ければ助かっていたかもしれません」との回答があった。
-----------------------------------------------------------------------
つまり嘘つき村は精神科入院患者が適切な治療を受けられずに死亡した事実を把握しながら1ヶ月以上も放置してきた。通常の新聞ジャーナリズムならば責任追及を行うはずである。ましてや精神科病院での死亡なら,たとえ一例でも新聞は厳しく責任を追求してきた(「不適切な身体拘束され死亡」 遺族、精神科病院を提訴 朝日新聞 2018年8月27日)。一方,上記の記事の中には誰かを責める文言は全く出てこない。結局この報道も亡くなった患者さんやその家族とともに忘れ去られていく運命なのだ。絶望した人に冷たい新聞。180度の路線転換は政党だけではなかったのだ。

嘘つき村始末記
表紙へ