ラグビーではなく相撲

ネットでの情報公開,危機管理,医療事故防止,顧客満足と,医療サービスを改善するために様々なお題目が唱えられます.問題は,これらの旗印を掲げて実行すれば,それで問題が全て解決するかのような幻想を人々が抱いてしまうことです.

現実は違います.特にプライマリケアと呼ばれる重要な医療サービスの大部分は,医療サービスの中で主導権を握る医者個人(担当医,主治医)と患者個人の関係に依存しており,組織として医療機関と患者の関係する部分は,実はごく小さな割合しか占めません.

スポーツにたとえますと,医療サービスを議論する時,多くの人はサービスの主体をラグビーのような団体競技と捉えてしまう.しかし,実は医療サービスというのは,相撲のように,個人の技量によって決定される部分の方がはるかに大きいのです.

私が所属している内科専門医会の中でも開業なさる方はどんどん増えています.そして内科専門医のメーリングリストでも開業医の発言が非常に活発です.私は勤務医の経験しかありませんが,開業の魅力は,この相撲という個人技のスポーツの魅力に似ているのではないかと想像しています.そして,ML2がこんなにも繁盛しているのは,強くなるためにはどんどん出稽古をしなきゃいけないと,開業医の皆さんが心得ているからだと思います.

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