些細なことにこだわる快適さ

た とえば、日本の医療をどうするかなんて大問題は、私にとってはどうでもいい。なぜなら、私にとって日本全体の医療なんてどうにもコントロールできないから だ、私は日本の医療問題を全て解決できるような全能の神ではない。そんな私は問題が大きければ大きいほど気にならない。やり過ごす.どうでもいいと思う.

私が気になるのは、日本中の多くの人にとって ほんの些細なことだ。私は、北陵クリニック事件の ように、世界中で百人未満の人しか心配していないことが気になる。その些細なことが解決し、それまで、”気になっている”という現在形が、”気になってい た”と過去形に変換 された途端、気になっていた時間が長ければ長いほど本当に清々しい気持ちになって、その日が素晴らしい一日と感じられる。だから毎日気になる些細なこと は、解決の努力を継続的に、たとえ一時期は容易に解決策が見つからずに一旦はあきらめても、ある時に思い出したように取り組んでみる。それもこれも些細な ことだから、できることだ。まず競争がない。世界中の誰よりも私が一番真剣に考えていることになる。常に独創性が確保できるわけである。

自 分のホームページを作り始めた20年ほど前、私は当初テキストエディタを使っていたが、ページを更新する度にブラウザで見栄えを確認する作業はひどく面倒 な思いをしていた。ほんの一時期、WYSIWYG(What You See Is What You Get)が可能なhtmlエディタとして、マイクロソフトワードを使ったこともあったが、余計なタグが勝手に入るのが非常に不愉快ですぐ止めてしまった。 だからその後、余計な機能が付属していないWYSIWYG htmlエディタがフリーウェアで出た時には本当に感激した。私は長い間Netscape composerを重宝していた。Windows XPになって、Netscape自体にサポートが無くなり、Composerにも多少の不具合はあってもその簡便さが気に入って使い続けていたのだが、い よいよWindows7になってComposerは使用できなくなり、その後継であるSea Monkeyに移行した。そこで、些細ではあるが、私にとっては非常に不愉快な問題が発生した。

2バイトつまり漢字、ひらがな文字の間 に、ランダムに勝手に半角スペースが入ってしまい、それが修正不能なのである。つまり一旦削除できたように見えても保存し閉じてからまた開くと、修正以前 の形に戻っている。ネットを検索したところ、これは1バイト文字だけから成るほとんどの欧米言語言における自動改行の仕様であって、決してバグでは無いと のことなのだが、多くの日本人ユーザーが同じ悩みを抱えていても解決できないようだった。そこで私も一旦諦めてしまった。

しかし、ホーム ページを仕事の日記代わりに使っている私とって、その見栄えは重大な問題である。「池田正行」が「池 田正 行」なんて、勝手にやらてはたまらない。そこである程度時間の取れる年末年始に改めて検索し直したところ、Sea Monkeyと同様のComposerの後継フリーウェアであるKompozerの場合、やはりSea Monkeyと同様の仕様となっているものの、Kompozerではpreferencesのフォルダー中のeditor.jsを一カ所修正すれば問題が解決することがわかった!(Sea Monkeyでも同じ方法が使えるかと思ったが、Kompozerと違って、preferencesのフォルダー中にeditor.jsのファイルが見当たらない!)

そ んなわけで、今、このページはSea Monkeyでなく,Kompozerで書いている。時に多少のバグはあるようだが、Sea Monkeyの時の、編集の度に毎回感じていた不愉快な感覚がきれいに失せて、極めて爽快な気分で文章が書けることが、本当にありがたいと感じ、仕事への 集中力と効率も向上した感じがする。それもこれも、些細な問題と無視せずに、不具合を投稿してくれた人々、その解決策を書き込んでくれた人々のおかげだ。 本当にありがたいことだ。

私 には日本の医療をどうこうできる力も、そんな大それた気も全くない。これからも、北陵クリニック事件のような些細なことにこだわって、このホームページを維持していきたい。それが巡 り巡って日本の医療が、より多くの人々の幸せに繋がるように変わっていくと思えるから。たとえ実際にそうではなくても,私自身がそう感じられればそれでい い.

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