オリンピック

そもそも,スコットランドはオリンピックに関心がない.フットボールという種目はあってもスコットランドとして参加しないので,全く意味がないし,ラグビーもシンティもないんじゃ,どうしようもない.だから関心がない.冬季もしかり.辛うじて選手を出しているという程度.しかも,チーム名はGreat Britainという,情けない名前なのだ.背負っている国旗がUnion Flagじゃあ,やる気も出ないだろう.

しかし,2002年の冬季オリンピックは,ちょっとばかり違っていた.女子カーリングは何と優勝!!そしてアルペン種目でUK初のメダル!!カーリングチームは全部Scotsだし(もっともEnglishがいるわけないんだが),男子回転で銅メダルをとったバクスター選手もAviemoreのスキー場でならしたScotである.

少ない選手団,乏しいに違いない強化費用.Scotsらしくコストパフォーマンスという点では,参加国の中でも金メダルをあげてもいいだろう.史上最大の選手団を送り込んで銀メダルと銅メダルそれぞれ1というどこかの国も見習ってはどうか.

男子回転では,有名選手がばたばたと倒れていった.その難コースをこなしたバクスター選手が言うことには,”スコットランドのコースにそっくりだったので滑りやすかった!!”

確かに,当日の気温が8度と異常に高かった.つまり,日なたは湿ったじゃりじゃりべとべとの雪で,エッジが深く入りすぎたり,前走者の轍にスキーが捕まったりして足をとられる.日陰は逆にアイスバーン,つまり冷凍室から出してきた直後のシャーベットと,1時間以上室温に放置したシャーベットが同じコースにまだら状に混在していたという,最悪のコンディションではなかったかと推測している.

いわゆるアルペン王国の一流選手は雪煙が上がるようなさらさらの雪の上を真骨頂としているので,当日は,パリ・ダカール ラリーに放り出されたF1レーサーの気分だっただろう.そんなコースもバクスター選手にとっては,自分の庭だったというわけだ.

新潟でも,平地に近いスキー場で,晴れの日を選んで滑っている身には,このあたりの感覚がよくわかる.Aviemoreに代表されるスコットランドのスキー場の状態は,恵まれているとはとても言えない.雪が少ない上に気温は高いから,コースははいつもべとべとぐしゃぐしゃ.だからスコットランドでもスキー好きの連中は,自国のスキー場などに見向きもせずに,アスピリンスノーを求めてアルプスまで行ってしまう.

バクスター選手は髪の毛をSt.Andrews旗に染めていた.英国オリンピック委員会から文句が出たそうだが,Scotsここにあり.堂々メダリストの礼を言われこそすれ,文句を言われる筋合いではない.Scotsがいなければ,選手団自体が成り立たないのだから.金をもらってスポンサー名を出しているわけでもなし.文句言うなら次回五輪から独立じゃあ.
 

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