日本では当たり前のこと

日本の審査当局者は,学会で行われる製薬会社がスポンサーになったランチョンミーティングに出席してもいいが,そこで出る弁当は食うなと教育されるし,実際に食わない.ましてや,下記のような公平さは,日本では当たり前のことなのだが,米英ではそうでないらしい.グローバルスタンダードとは何ぞや?既に公平ならば,なぜこんなことを改めて言わなければならないのか?(忙しい中,大切な記事を教えてくれた堀さんに感謝します)

Nature  2004;432(7015):263

 英国で、医薬品の審査にかかわる人員に対して、製薬会社からの私的利得を放棄する(advisor)、企業から支払われたカンファレンスの申告など(commitee member)を義務付ける方向のようです。この動きは欧州、米国に対して圧力となるとしています。
(堀注:欧州はEMEAの中央審査と、個別各国の審査当局とがあり、生命にかかわるとか新規性が高いとか一定の条件のものはEMEAの中央審査になる)

 FDAは、ロフェコキシブと抗欝剤に関するmishandlingとで、現在、患者の利益よりも企業の利益に動いたとして批評されている。

 英国の今回の方針は、当該スタッフの直接の利益相反に関するものだけではなく、家族の関連する利益相反も申告させるようです。またCommitteeのメンバーの科学者がある物質を用いて研究した場合、製薬企業から経済的援助を受けていなくても、当該物質について研究していることを申告しないといけなくなるそうです。

 米国の患者団体は、この動きを歓迎しており、英国の審査員は企業と審査員のヒミツ同好会をこじあけることになる、と言っている。

 英国の製薬企業団体は、英国規制当局のcommitteeは、既に公平であり、私的利得を得ている場合には、当該医薬品の議論に参加していないとしている。しかし、正義は行われなければいけないのみならず、行われていることが見えるようにされなければならない、とも述べている。

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