マッチング結果から学ぶこと

2005年のマッチング結果,ご覧になっただろうか.

有名ブランド病院の圧倒的な強さと,地方大学離れの動きが続いている.大学側もそれなりの対応策を用意して巻き返しを図っているが,地方大学で空席率50%未満の大学を探すほうが難しいぐらいだ.空席率70%以上の惨敗も一つや二つではない.同一県内の市中病院が必死になって巻き返しを図っているのに比べて機動力が効かずになす術がないというところだろうか.

マッチング結果から,大学側が下記に挙げるようないくつかの対応策を取っていることが伺われる.

1.募集人数を絞り込んだ
2.メニューを多彩にした
3.市中病院とタッグを組んだ

しかし,これらの方策が,学生から,小手先のごまかしと見抜かれている可能性がある.つまり

1.募集人数を絞り込んだ→教育に人手と時間をかけないと割り切り,教育を縮小していく方針
2.メニューを多彩にした→自信を持って特色のある教育が打ち出せない
3.市中病院とタッグを組んだ→教育を外注にして自前ではやる気がない

大学であろうと,市中病院であろうと,人材不足と機能不全の悪循環から抜け出せなくなった組織から順番に淘汰されていくように見える.そのような悪循環から抜け出す最も有力な手段が,魅力ある教育だ.PMDAとて同じこと.教育機関という意味で,大学や市中病院は競争相手だと思っている.PMDAをより魅力ある組織に育て,人材を確保するためにも,教育に力を入れていかなければと思っている.

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