ライオンとユニコーン

これはスコットランドに渡った1990年当時から,どうしてもはっきりさせておきたい問題でしたが,今まで,じっくり調べて考える余裕がなくて逃げ回っていました.そう,表題の通り,あの,ライオンとユニコーンの問題です.Nursery Rhymes(英国版わらべ歌)の解説にある通り,ライオンはイングランドの象徴,ユニコーンはスコットランドの象徴と考えてきました.

では,Scotsが好んで使う,あの黄色地に赤のLion rampantの旗 (ちょと見にくいけど,Ullapoolの港で撮りました.この空の色,何とも言えず懐かしい)は何なのだろうか,ライオンこそがスコットランドの象徴ではないのか?そんな疑問を長年抱いてきました.

1707年のスコットランド議会とイングランド議会の合併の際にスコットランド王冠を支えていた二匹のユニコーンと,イングランド王冠をささえていた二匹のライオンを折半して,ユニコーン,ライオンそれぞれ一匹ずつで一つの王冠を支えるようにしたのは確かですが,だからといってユニコーンがスコットランドの象徴と考えるのは間違いで,単なる王冠を支える動物という程度でしょう.また,上記の童歌も,ライオンとユニコーンの争いがイングランドとスコットランドの闘争をあらわしているわけでもないようです.

だから,よくみやげ物屋で売っている,黄色地に赤のLion rampantの旗を無邪気に振り回してスコットランドのサポータを気取るのは,それはそれで正調の応援なのです.

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