挙動が不審な薬

後発品問題は、中医協のメンバーの誰が正しい・間違っているという単純な論議では決して理解できないことはこれまでいろいろなところで言ってきた。今回もまた、皆さん、ご苦労さんの小ネタ。生物学的同等性が問題なくても、挙動が不審な薬は取り締まらなくちゃならないのね。素人にとっては生物学的同等性が担保されればいいんじゃないって思うんだけど、規制する側としては、規則は規則だから、そうもいかないんだろうね。
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アレルギー薬6成分、一部で挙動改善へ  後発品品質検討会で溶出試験結果 ( 日刊薬業 2015年11月27日 )
 厚生労働省医薬・生活衛生局審査管理課は27日、今年9月に行われた「第15回ジェネリック医薬品品質情報検討会」の概要を記者向けに説明した。検討会では、アレルギー用薬オキサトミドなど6成分の溶出試験結果が報告され、一部メーカーが溶出挙動の改善を行うこととした。いずれも生物学的同等性などには問題ない。

 今回は▽オキサトミド錠▽セチリジン塩酸塩錠▽エピナスチン塩酸塩錠▽ロラタジン錠▽エバスチン錠▽オロパタジン塩酸塩錠―の後発医薬品の溶出試験結果の報告を受けた。

 エピナスチンでは、一部で先発医薬品の溶出挙動と類似の範囲にない製剤が認められ、メーカーが改善を行うこととなった。溶出規格には適合するが、今後再試験で改善確認を行う。ロラタジンの一部も同様に、メーカーが改善に向け対応した上で、再試験で確認する。オロパタジンでは、前回の検討会で1製剤が溶出規格を満たさなかった件が報告済みで、引き続き改善確認を行うことを決めた。

 このほか、後発品の品目数が増大していることから、試験結果について共同開発メーカーの情報も含めて議論すべきだとの意見が出た。現状は評価結果を示すグラフなどで製造販売業者の名前を突合させることができるが、共同開発メーカー名までは資料中に示されていない。事務局の審査管理課などが対応を検討する。

●後発医薬品品質情報第4号を発行
 審査管理課は後発医薬品品質情報第4号を発行し、同日付でウェブサイトに掲載した。後発品の生物学的同等性試験ガイドラインに基づき実施される、溶出試験法の概要を説明しているほか、医薬品リスク管理計画の解説を載せた。
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参考:東京保険医協会から日本ジェネリック医薬品学会への返書(2012.4.16)(直接関係のある記事では無いけれど、論点が明らかになっているので参考になる)
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