究極の規制緩和

自動車保険屋や警備会社のボスが、医療サービスに株式会社も参入させろとわめいて,2002年7月の医療制度改革で参入可能となった.しかし,一体全体,あんたらがいじくって,食い物になりそうな所が、医療サービスのどこかに残っているとでも思っているのか?

株式会社参入というが,そもそも,その株式会社とやらが,本業でうまい商売ができているのか?粉飾決算,総会屋対策,インサイダー取引,赤字,人員整理,社債の格下げ,果ては倒産.こういったスキャンダルは株式会社の専売特許だろう.そんなやつらが命のやり取りの世界で商売するだって?おいおい,ちょっと待ってくれよ.

悪いことは言わねえから,やめといた方が身のためだ.野球評論家が放送席 からグラウンドに飛び出してコーチをやらせろとわめいているようにしか思えねえんだよ。それともよ,間違えて盗む物がない家に入っちまった泥棒とかね。

人が親切に言ってやってるのに,それでもわからねえってんなら,ああ,いいさ,やれるもんならやってみろい.この世界はな,効率のいい経営で顧客満足を実現するなんて,そんな戯言を信じているおぼっちゃまの来るところじゃねえんだ.金と命をやりとりする賭場なんだよ.てめえらお素人さんが、運良く生き残れたとしても,結局は現実の泥沼の中でのたうち回った挙げ句、俺達と同じゾンビになっちまうのが関の山だ.

何しろ,銭勘定は得意なてめえらのこった.そんなことぐらいお見通しだろう.それでも参入させろってわめくのは,その先にあるものを見越しているってこったろう.それが,国民皆保険制度の撤廃と混合診療,つまり,人の命を金で買う.貧乏人は死ねって世界,究極の規制緩和ってわけだ.

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