献体不足再び
「献体が足りているという認識が広がり、申し出が減っている要因になっている」

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献体不足、手術研修の危機 山梨大医学部 4月に新施設開設 山梨日日新聞  2020年2月6日
https://www.sannichi.co.jp/article/2020/02/06/00402889
山梨大医学部で、医師が手術のトレーニングに用いる献体が不足し、4月に開設する医師向けの研修施設で十分な研修ができない懸念が出ている。「不足している状況が周知されていないため、提供の申し出が少ない」(同大)という。大学はホームページ(HP)で献体提供への協力を呼び掛ける異例の対応に乗り出した。大学関係者は「制度への理解と協力を呼び掛け、十分な献体を確保したい」と話している。
「献体不足が続けば、研修施設が完成しても思うように運用できない可能性がある」。解剖学を専門とする山梨大医学部の竹田扇教授は、危機感をあらわにする。
山梨大が2019年に受け入れた献体は25体で、ピークだった01年の50体に比べて半減した。定員125人の医学部では医学生の解剖実習だけで年間32体が必要だが、ここ10年の受け入れは20体台で推移。献体は医学生の解剖実習での使用を優先する必要があり、昨年度、研修用は1体にとどまった。
同大は08年度、献体が増えて保管場所が不足しているとして、提供を希望する登録者を年間40人に制限。現在は撤廃したが、「献体が足りているという認識が広がり、申し出が減っている要因になっている」(竹田教授)という。
4月に運用を始める医師向けの研修施設は、国や県の補助金を活用して医学部の実習棟内に整備。約80平方メートルの室内に無影灯や手術台を設け、県内外の整形外科や消化器外科、心臓外科などの医師が献体を用いて新技術の手術を習得するのが目的だが、年間で必要となる8体を確保できるめどが立たないという。
同大医学部では昨年12月、HPに献体の協力を求める案内を掲載し、制度の概要や登録までの流れについて解説している。中尾篤人医学部長は「献体で医学教育は支えられてきた。医師の医療技術向上のため、献体登録へのさらなる理解と協力をお願いしたい」としている。
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