カバンの中の何千票

かつて,医者のカバンには,何千票も入っていると言われましたが,今や医師会の集票力は地に堕ちたと言われています.だから,与党は医師会の言うことなんか聴きゃしません. しかし,開業しているあなたが患者さんから信頼を勝ち得ているのなら,今でもその票は入っているのです.ただ,あなたがその票を死蔵しているだけです.

”医療費,値上がりましたよね.私ども開業医(あるいは勤務医でもいい)も困っているんですよ.お客様がが来なくなっちゃうし.これもみんな小泉が悪いんです.ですから次の選挙は小泉の与党に票を入れちゃいけないんです.小泉の与党に入れたら,あいつらは,ああ,また医療費を値上げしていいんだなと思い上がって,またどんどん値上げしてきますよ.誰が首相になっても同じじゃないんです.次も小泉なら,次も医療費値上げです.次の選挙はあなた自身の命と生活を守る戦いなんですよ.”

患者さんに対して,こう言うぐらいだったら,ヘルメット被って角材持ってデモ行進したことのないあなたでもできるでしょう.

診療は相変わらずお忙しいことと存じますが,医療費削減,医療改悪は,患者さん自身の死活問題でもあるのですから,患者さんとの世間話の合間に,現政権が何をやろうとしているのか,患者さんとお話になったらどうでしょう.国や,どういうわけか医療改悪では国の提灯持ちばかりしているマスコミの言うことよりも,地域の方々の信頼を勝ち得ている先生方の言うことの方を患者さんは信用してくれるでしょう.宣伝カーで名前を怒鳴って迷惑を撒き散らすだけのバカな政治家に負けるなんて,悔しいじゃありませんか.

”許すな医療費値上げ,落とせ小泉”っていうポスターを配れないどころか,いまだに”政権与党を支持する”なんて妄言をのたもうてばかりいる,都市銀行の幹部以下の無能な日本医師会執行部に会費を貢いでいる場合ではないのです.そんな無能な執行部に頼っていたら,我々の生活も,仕事の誇りも奪われてしまうのです.もう,あなた自身があなた自身のために行動すべき時です.

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