何を今さら


命長ければ辱(ハヂ)多し。長くとも、四十(ヨソヂ) に足らぬほどにて死なんこそ、めやすかるべけれ。

馬齢を重ねるほど,使い物にならなくなることは何百年以上も前からわかっていたことだ.何を今さらと吉田兼好は言うだろう。

この研究が公になってからも,年寄りの医者が大量解雇されたという話は聞かないから,よほど医者が足りないんだろうな.私も,もう、人生半世紀、医者四半世紀になろうとしている今、自分が生き延びて診療すればするほど、犠牲になる患者さんの数も増えるわけだが,それほど医者が足りないのなら,大本営から追い出されても,まだどこかに潜り込めるかもしれない.

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2005.2.28  経験年数多い医師ほど医療ケアの質は低い?標準的治療行わず、知識レベルも低下:59文献のレビュー研究で明らかに

医師の経験年数が多いほど医療ケアの質は逆に低下する
傾向が見られるという。しかも半数を超える研究では、経験年数が増えるとすべての
項目で品質が低下していた。米国Harvard大学のNiteesh K. Choudhry氏らが、
Medlineなどを用い、過去の研究を再調査するシステマティックレビューで明らかに
したもので、Annals of Internal Medicine誌2005年2月15日号で発表した。

 Choudhry氏らは、医師の経験と知識や診療行為などの質との関連について調べた研
究結果について、1966〜2004年に英語で発表された文献を、主にMedlineで検索し、
評価した。その結果、59の文献から62の研究結果が得られた。

 その結果を見てみると、52%にあたる32の研究結果では、すべての評価項目が医師
の経験年数が増すにつれて低下していた。また、13(21%)の研究結果では、一部の
評価項目は年数とともに低下し、それ以外の項目には関連が見られなかった。二つ
(3%)の研究結果では、経験とともに当初は診療行為の質が上がるものの、その後
ある時点からは低下していた。一部またはすべての評価項目について、経験年数が増
すとともにアウトカムが上がることを示す研究結果は、それぞれ一つ(2%)ずつ見
つかった。

 評価の内容について見てみると、12の研究で医師の知識について評価しており、そ
のすべてで、経験年数が増すにつれて知識のレベルは低下することが示されていた。
また、適切な診断テストやスクリーニング、予防医療の実施について評価した研究は
24あり、そのうち15(63%)の研究で、経験を積んだ医師ほど、標準的診療行為を行
わない傾向があることを示していた。さらに標準的治療について調べた研究は19あ
り、そのうち14(74%)で、医師の経験年数が増すと標準的治療を行わない傾向があ
ることを示していた。
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時間の余裕のある人は次の設問に沿ってこの問題を考えると面白い

質問1.自動車の運転と医者の診療はどちらが難しいか?
質問2.自動車の運転と医者の診療を対応させると、技量の成熟度は自動車免許取得と医師免許取得がよく対応するだろうか?
質問3.自動車の運転は、平均の運転歴何年目が、事故率が少ないか?
質問4.これだけ年寄りの医者がダメだとはっきりわかっているのに、年をとればとる程医者が偉そうな顔をするのはなぜだろうか?これは世界的な傾向だか ら、儒教の影響では説明がつかない。

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