我らが父なるFDA?

こういう幻想を抱いて規制当局を攻撃するような、お目出度いお医者さん達は、地球上どこにでもいるもんさ」と知った風なことを言うのは簡単ですが、そのエビデンスを示す論文を載せるJAMAは、やっぱりNEJMのような商業誌とは違うと思うのでありました。

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米国の医師の大半がFDA承認や画期的治療指定の要件を誤って認識している Biotoday 2016/4/13
米国の医師1,148人に尋ねたところ、米国FDA承認や画期的治療(Breakthrough Therapy)指定の要件を大半が誤解していました。

73%の医師がFDA承認には他の承認薬との効果の同等性が必要と誤解していました。
70%の医師はFDA承認には統計的に有意で臨床的に意味のある効果が必要と間違って認識していました。
52%の医師は画期的治療の指定獲得には確かな裏付け(無作為化試験)が必要との思い違いをしていました。

Physicians’ Knowledge About FDA Approval Standards for ‘Breakthrough Therapy
Physicians’ Knowledge About FDA Approval Standards and Perceptions of the “Breakthrough Therapy” Designation. JAMA. 2016;315(14):1516-1518. doi:10.1001/jama.2015.16984
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規制当局を含む「お上」、権威者に対し、父権主義者であることを求め、no blame cultureを全面的に否定し、神であればかりに過大な要求するのは、東アジアの儒教文化圏に特有の感情ではないようです。「一朝事ある時に」起こす行動が、西では裁判、被害では謝罪の要求ですが、それとて、儲けさせる対象が弁護士かマスメディアかの違いに過ぎません。

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