柔らかい降圧

たまたま心不全と高血圧症の両方の効能を持つ某薬のWeb講演会とやらを視聴する機会があった。「かかりつけ医」という名称を含んだ演題からして、主に開業/市中診療所医師を対象にした宣伝だったことは明らかだった。添付文書に「過度な血圧低下のおそれ等があり、原則として本剤を高血圧治療の第一選択薬としないこと」と注意喚起がなされているにもかかわらず、「降圧作用は他剤より強いが、柔らかく降圧する」などという噴飯物の文学的な表現でかかりつけ医に対して本剤を推奨する演者(市中病院循環器内科部長との肩書き)の姿は、医師と言うより昭和の御代の「プロパー」を見るようだった。
2022/12/3
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