Emmieさんは,2000年の秋に,グラスゴーの南にあるエールシャーに引っ越していらした.それからGPへの登録,救急受診,夜間往診,時間外受診,検査入院と,幸か不幸かいろいろな医療場面を経験なさっている.その体験は,医療サービス利用者の立場から,非常にわかりやすくかかれているので,UKの医療について興味がある人は,是非とも一読なさることをお勧めする.私にとっても随分と勉強になった.
Emmieさんの経験談を読んで,英国のNHSは”腐っても鯛”どころか,いや,まだなかなかのもんだと思った.大都市部では散々な評判の,時間外,夜間の対応など,手薄になりやすい部分の対応が結構いいのである.これはやはり,サービスの需要と供給のバランスがとれている地域では,NHSはまだまだ十分使い物になることを意味している.一方,大都市部におけるNHSの貧困の原因は,人員や施設に対して十分な資本が投下できないことだと,改めて認識した次第である.