テレビがだめだというのなら

医学を扱ったテレビ番組,特にドラマとドキュメンタリー物にはろくなものがないというのが多くの医者の印象である.しかし,本当にそうなのだろうか?とくに私のような,初めからテレビを見ない人間には,医学関連のテレビ番組の質を論じる資格がない.品質が悪いと確信している人は,簡単に証明できるはずだから,やってみたらどうだろうか.その判定基準にはさまざまなものが考えられる.要するにあなたが現実離れしていると感じることでいい.

学術的におかしい点がたくさんあることはもちろんだが,出てくるのが外科の医者ばかりで,救急外来や緊急手術のシーンばかりだったり,医者が人前で平然と煙草を吸ったり,大声で怒鳴って他の医者に殴りかかったりしたり,噴飯物の光景はいくらでも指摘できるはずだ.

臨床医がそんなこと,とてもやっていられないというのなら,医学部の学生さんがやればいい.医学と社会の関わりという,トレンディなテーマそのものに乗った,非常にいい研究になるだろう.医学部の学生さんだって,自分たちがテレビドラマの中でちやほやされている非現実的な場面を見て,腹が立ってスイッチを切った経験があるに違いない.それもいい動機付けだ.

誰かやってくれませんかね.お手伝いは喜んでしますから.

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