第7回日本視野学会学術集会

学術集会会長挨拶

Connect with Each Other : 互いに連携して視野と画像を学ぼう!

第7回日本視野学会学術集会
会長 大久保 真司 (おおくぼ眼科クリニック・金沢大学眼科)

 2018年5月12日(土)と13日(日)の両日にわたり第7回日本視野学会学術集会を5月9日(水)から12日(土)にかけて開催されますImaging and Perimetry Society (IPS:国際視野画像学会)と同時に金沢にて開催いたします。

 日本視野学会は専門別研究会として活動してきた「日本視野研究会」を2011年12月1日より新たに学会として発展させた伝統と歴史のある新しい学会です。国際視野学会が国際視野画像学会と名称を変更し視野と画像を研究テーマとして扱うようになり、それに協調し日本視野学会学術集会も、表裏一体の関係にある視野と画像をそれぞれ、また融合させて「Structure and Function」として研究の成果を討論する場として発展してきました。また、横断的に視野を専門に扱う学会として、「視覚障害者認定」や「自動車運転と視野」等といった社会的意義の大きい問題に関しても中心的な役割を果たしてきました。この学会がここまで発展し成果をあげることができてきたのは、松本長太理事長、岩瀬愛子先生をはじめ、理事、名誉会員、評議員の先生方および歴代の学術集会会長の先生方、会員の方々の多大なるご尽力の賜物と思います。
 今回、私が第7回学術集会の会長を務めさせていただくことになりました。このような素晴らしい学術集会を担当する機会を与えてくださった理事長をはじめとする諸先生方に厚く御礼申し上げます。

 今回は、IPS(国際視野画像学会)と共催ということもあり、日本と世界がつながる、JPSとIPSがつながる、構造と機能がつながる、各専門分野がつながる、そして基礎と臨床がつながる、各世代がつながるというテーマで、IPSに参加していただく海外の先生にもテーマがわかるように英語で、”Connect with Each Other”にさせて頂きました。今回のポスターはIPSのポスターと並べると2つの視野の島が虹でつながります。世界の最先端の視野および画像の研究を議論し、さらに日本独自の問題も議論できるような学会となるよう準備を進めております。

 第7回の学術集会のJPSレクチャーは、第23回IPSのホストのひとりでいらっしゃる岩瀬愛子先生にお願い致しました。IPSと日本視野学会をつなぐ重要な役割を担われているお一人で、今回のメインテーマである、”Connect with Each Other”を体現されてきました。自動視野計が日本に導入された当初から、自動視野計の日本人データベースに関わられ、その日本での発展に寄与されてこられ、疫学やスクリーニング、画像、そして自動車運転と視野など視野と画像の様々な臨床および研究を行ってこられた岩瀬先生のお話しを拝聴できますことを今から非常に楽しみにしております。
 今回は特別企画としまして、視野の本当の基本から応用までを初心者からベテランの方までまとめて学んでもらえる拡大版の教育セミナーを企画しました。最近あまり聞く機会のない視標サイズ、背景輝度、受容野などの視野の心理物理学的な話や基本的な視野の読み方、視野や画像の進行判定、そして疾患ごとの視野と構造の関係をまとめて勉強して頂ける企画の予定です。このセミナーを聞くことにより視野に苦手意識のある方は、視野の基本的なことを押さえることができ、視野に興味のある方は、さらに視野と画像を深く知っていただくことができる企画になると確信しております。
 シンポジウムは、「構造と機能の関係から考える疾患」というテーマで、視野学会ならではの各分野の専門家の先生にお話し頂き、横断的に議論して頂きたいと考えています。構造と機能、そしてさらにプラスアルファが加わり、疾患の謎が解明されるようなお話しが拝聴できることと思います。
 JPSコーチングセミナーでは、ここ数年シンポジウムで議論されてきました新しい視覚障害認定基準がこの時期にはまとまっていることと思われますので、その要点とポイントをまとめてお話しいただく予定です。また、視野と自動車運転の話題に関しては、眼科医からの視点ではなく、別の立場から多くの人がより運転が長くできるにはどうすればいいのかという観点から自動運転を含めた現状、そして近い将来のビジョンについて伺いたいと思います。また、視野とQOLの問題も非常に重要なテーマと思いますので、「視野からみたQOL」の話も伺いたいと思います。
 今回は、IPSと同時開催のために、基本的に一般演題はIPSで受けさせていただく予定です。IPSに登録頂いた日本からの演題の中から、優秀演題をIPSセッションとして第7回日本視野学会学術集会で御講演頂き、最新の視野と画像の話題を議論する予定です。また、教育性を重視した共催セミナーも予定しています。

 5月は、金沢の最も良い季節です。医師、視能訓練士をはじめ多くの皆様に足を運んで頂き、分野の垣根を越えた画像と視野を学びながら、金沢の街並み、文化、食を満喫して頂ければと思います。