臨床用量の設定について

 動物実験で効果が認められた新しい薬物をヒトに投与する場合、どのようにして用量が決められるのでしょうか?

 非臨床試験で効果が認められた薬物は、第1相試験で初めてヒト(健常成人)に投与されます。その際の初回投与量は、最高無作用量が目安になります。既存の類似薬があればそれが参考にされますが、全く新しい薬の場合には以下の基準がよく用いられます。

 1)最も感受性が高い動物でのLD50 *の 1/600 以下
 2)最も感受性が高い動物でのED50 **の 1/60 以下
 3)最も感受性が高い動物での亜急性毒性試験の無影響量の 1/60 以下

この用量から臨床効果が期待される量の2〜3倍まで増量され、最大安全量を推定します。

 次に、前期第2相試験で実際に患者に投与し、至適用量を設定します。最小量から順次増量し、最小有効量と最大安全量を決定します。

 後期第2相試験では、前期第2相試験で得られた最小有効量と最大安全量の範囲内で数段階の用量を設定し、有効にかつ安全に使用できる用量幅を決定します。

 そして最後に第3相試験によって最終的な臨床用量が決定されるのです。

 * lethal dose 50% :多数の動物に薬物を投与し、その50%が死亡すると推定される量
** effective dose 50% :生体の50%に、ある一定の効果を起こす量