インターフェロンの単位について

 インターフェロン(IFN)は極めて多彩な生物活性をもつタンパク質ですが、 IFN 活性を測定することは現在でもかなり面倒な仕事です。いくつかある測定法の中で最も広く用いられている方法は、「CPE 法」です。CPE(cytopathogenic effect; 細胞変性効果)とは、ウイルスが細胞内で増殖すると細胞が円形化したり巨細胞を形成したりし、やがて細胞が破壊される現象を指します。FL 細胞(ヒト羊膜由来)や MDBK 細胞(ウシ腎臓由来)に、倍々希釈した IFN を添加し、ウイルス感染抑制状態にしておきます。これにウイルス(例えば口内炎ウイルス、シンドビスウイルスなど)を感染させ、CPE が半分に抑えられたときの IFN の希釈倍数を単位とします。下の例で言えば、被験 IFN の力価は 128 単位となります。

図 CPE 法の原理

 IFN 検体の実測力価は、たとえ同一試料であっても、検定細胞、ウイルス濃度、温度、pH など諸条件によって毎回多少変動します。したがって、 NIH が配布する「標準品」についても毎回同時に測定し、「標準品」の実測力価と正式力価のずれを補正係数として、未知検体の力価を算出します。
 また、ウイルス感染後、NR(ニュートラルレッド)という色素(dye)を細胞内に加えると、壊れていない細胞だけが色素を取り込みますので、NR の吸光度を測定することで、より定量的に IFN の単位が分かります(CPE - dye - uptake 法)。

【力価の互換性について】
 IFN - a 製剤には、スミフェロン 300 IU 、イントロン A 300 IU 等がありますが、同じ 300 IU でも同じ力価をもつとは言えません。というのは、種類(タイプあるいはサブタイプ)の異なるインターフェロンの標準品の正式認定力価(単位)は WHO や国立予防衛生研究所で定めたもので、その数値は種類の異なるインターフェロン間では互換性がなく、またタイプやサブタイプが異なると、使用するアッセイ系によって活性の強さが異なるからです。したがって、力価を示す数値(単位)は、異なるタイプやサブタイプ間では直接比較できません。
 しかし、同等の薬価の製剤ではほぼ同じ効果が得られるという臨床医の意見も少なくないようです。