透析患者への使用が「禁忌」とされている薬剤

(1)消化性潰瘍剤、制酸剤などの「アルミニウム」含有製剤
 透析患者へのアルミニウム含有製剤の長期投与で、アルミニウム脳症、アルミニウム骨症を発症したとの報告があるためです。慢性腎不全では、腎臓におけるビタミンD活性化の代謝異常により、高リン血症、低カルシウム血症をひき起こします。そこで、腸管からのリン吸収を抑制する目的で、リン吸着剤が用いられます。従来、水酸化アルミニウムゲルがリン吸着剤として汎用されてきましたが、長期投与によりアルミニウムが体内に蓄積し、アルミニウム脳症、アルミニウム骨症を発症する結果を招きました。現在、アルミニウム含有製剤は透析患者へは禁忌、腎障害患者へは慎重投与となっています。

(2)ACE 阻害剤(AN69 膜使用透析患者)
 ACE 阻害剤服用中の患者が AN69 膜による血液透析を受けた際に、血管浮腫(顔面浮腫、咽頭浮腫)、嘔吐、腹部痙攣、気管支痙攣、血圧低下、チアノーゼ等のアナフィラキシー症状を発現したとする報告があるためです。ACE 阻害剤の副作用として、まれに呼吸困難を伴う血管浮腫が現れることが知られていますが、これとは異なるものです。
 AN69 膜:アクリロニトリル基とソディウムメタリルスルフォネート基との共重合体からなるポリアクリロニトリル(PAN)膜の一つで、国内ではホスパル社が輸入販売しています。
(参考)厚生省医薬品副作用情報 No.115 

(3)透析患者に使用することにより副作用の発現が増強されるおそれのある薬剤

 ・コハク酸ジベンゾリン(シベノール)
   透析でほとんど除去されず、急激な血中濃度上昇により意識障害を伴う低血糖等、重篤な副作用が現れるおそれがあるためです。

 ・ベサフィブラート(ベサトールSR)
   本剤投与中に横紋筋融解症が現れることがあり、この症状が透析患者、腎不全患者等の重篤な腎機能障害患者で発現しやすいためです。