その場合，問題になるのはPortableで快適に使用出来るソフトウェアの入手でしょう．
そこで，この項では，68000CPU，漢字Talk 6.0.7あたりに対応したワープロ/テキストエディタを取り上げ，私なりの（独断に満ちた）感想，評価を述べたいと思います．勿論，ここで紹介した以外にも（特にフリーウェア/シェアウェアで）優れたワープロ/テキストエディタは多数存在しますので，御自身で調べて探してみるのも良いかと思います．また，同じソフトウェアでもヴァージョンによってPortableで動いたり動かなかったりといった問題も出て来ます．ここで検証に用いたソフトウェアは全て私の手持ちの範囲内なので，異なるヴァージョンの動作保証をする訳ではありません．恐れ入りますがその点も十分御留意下さい．
以下，特に断りがない限りは，漢字Talk 6.0.7での動作確認です．また，入手難易度は2005年12月現在での評価です．
【1】テキストエディタ
ワープロとテキストエディタの違いは，「『ページ』の概念があるか否か」だと思います．つまり簡単にでも「ページレイアウト」が出来ればそれはワープロとして分類されるでしょう．テキストエディタはひたすら文字入力するのに適しています．
要求される最小RAM容量はいずれのエディタでも，
・日本語システム：漢字Talk 6.0.7/2.1変換なら1MB，漢字Talk 6.0.7/サードパーティFEPなら2MB
・英語システム：System 6.0.8なら1MB，System 7.0.1なら2MB
と考えて下さい．
漢字Talk 7.1以降なら，最低4MBは欲しいところです．
(1) TeachText
推奨（最小必要）メモリサイズ：192KB
確認ヴァージョン：J1-1.3（日本語版），1.2（英語版）
日本語入力：○（日本語版）
漢字Talk 6環境でのインライン入力：×
作者または販売元：Apple（システム付属）
入手方法：漢字Talk 6.0.7インストールディスク（ヴァージョンJ1-1.3），System 6.0.8インストールディスク（ヴァージョン1.2）に付属
入手難易度：やや易
殆ど説明不要でしょうが，システム付属のApple純正テキストエディタです．
最低限の文字入力には使えますが，32KB以上の文書は扱えません．
ヴァージョンによっては，漢字Talk 7.1以降でないと使えません．英語版を漢字Talk 6.0.7で使うと，爆弾が飛びました（笑）．
(2) YooEdit
推奨（最小必要）メモリサイズ：400KB
確認ヴァージョン：1.63
日本語入力：○
漢字Talk 6環境でのインライン入力：×
作者または販売元：田川洋一（フリーウェア）
入手方法：現在でも作者のホームページからダウンロード可能
入手難易度：易
旧Mac OS環境下での代表的テキストエディタの1つ．英語システムにも自動対応します．画面の2分割や検索，行の自動折り返し機能など，文字入力だけの用途で不自由を感じる事は殆ど無いでしょう．勿論32KBの制限もありません．かつてはDA版も存在しました．
最終ヴァージョンは1.71ですが，漢字Talk 6対応のヴァージョン1.63も公開し続けて下さっているのは本当に有り難いです．
(3) Mac-Text
推奨（最小必要）メモリサイズ：300KB
確認ヴァージョン：1.3.1
日本語入力：○
漢字Talk 6環境でのインライン入力：○（要MacVJE 2.5）
作者または販売元：ダイナウェア（MacVJE 2.5に付属）
入手方法：中古を見つけるしかありません
入手難易度：難
MacVJEに付属するテキストエディタで，VJEと組み合わせればインライン入力が可能なのが魅力です．ただし，32KB以上の文書は扱えません．
(4) BBEdit Lite 3.5
推奨（最小必要）メモリサイズ：450KB
確認ヴァージョン：3.5.1
日本語入力：×
作者または販売元：Bare Bones Software（フリーウェア）
入手方法：info-mac等ネットを探せばまだ見つかります
入手難易度：やや易
日本語には対応していませんが，プログラマ御用達英語テキストエディタとしては極めてメジャーな存在．32KB以上の文書も扱えます．末裔は現在もしっかり生き続けていて，OS X対応製品版（BBEdit 8.2）が販売されています．System 6対応フリーウェア版のこのヴァージョンは，日本語を使わないSystem 6.0.8/RAM 1MB環境なら選択肢の一つにあがると思います．
さて，私のお薦めを一つ挙げるとすれば，やはりYooEditでしょうか．
ワープロについては，ページを改めたいと思います．