29 October,1997 更新


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本研究班設置の背景と目的

研究課題

活動録

班員構成

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1.本研究班設置の背景と目的

 この研究班は厚生省厚生科学研究の中に新たに設けられた「情報化技術開発研究事業」の中の一研究班として設置されたもので、「遠隔医療」を医療の中に正式に位置づけるにはどうすればよいかを一年かけて研究し、1997年3月に厚生省に提言することを目的としています。

 本来ならば「遠隔医療」とは何かをここで定義しておく必要があると思いますが、そのこと自体もこの研究班で研究していただくことにしたいと思っており、ここでは仮に「映像伝送を中核とした情報の伝送によって何らかの診療行為を行うこと」とやや広く定義し、具体的には、例えば、診療所間の映像伝送による様々な相談、家庭と医療機関の間の映像伝送による相談、放射線関連画像の伝送、病理画像の伝送、テレコンファレンスなどを含むと考えておくことにします。また、工学的な問題があればそれについても提言するために特に映像工学の専門家も班員にお願いしています。

 この研究班が設置された背景は次のようなものと考えることができます。遠隔医療は、日本においても既に30年近い歴史を持っており、多くの場所で実験的プロジェクトが行われて大きな成果をおさめてきました。また、最近遠隔医療に対する社会的関心は非常に強く、厚生省のみならず他省庁の情報関係の報告書や国際的なプロジェクトなどにおいても常にこの遠隔医療が話題になっています。

 しかし、一方で現実を振り返ってみると、今日に至るまで、日本で遠隔医療が日常の診療の中に定着した例は非常に僅かです。その理由は、色々あると思いますが、主な理由は遠隔医療を取り巻く社会的環境がまだ充分整備されていないためと思われます。社会的環境とは、例えば、その意義が実験的には認められても、「どのような場合に適用するべきかについての医療上の位置づけがまだ不明確なこと」、「遠隔医療を行う費用負担について合意が形成されていないこと」、「法令上どこまでが遠隔医療によって可能な医療行為かについて定かでないこと」などです。従って、今必要なことは、上記の問題を整理して、医療関係者にもまた一般の社会にも受け入れられる合意を形成することです。本研究班は以上を視点にして、その案(提言)を作成しようとするものです。提言は、できるだけ具体的なものとすることを目標としており、例えば、それが保険点数などにも反映できるように実務上の諸問題も考慮した提言としたいと思っています。

 本問題について、ご関心のある方は是非下記あてご意見をいただければ幸です。    1996年6月

東京大学医学部・国立大蔵病院 開原成允   電子メール kaihara-tky@umin.u-tokyo.ac.jp



2.研究課題

小研究班研究課題
(1)遠隔医療の現状と課題等のまとめ遠隔医療の現状と課題の整理、(2)〜(6)の各分担班の成果の取りまとめ、及び遠隔医療の室の確保の為に必要な対策(管理運用体制)の提言を行う。
(2)映像による医療支援通信を介した映像による医療の支援(在宅医療支援等)について、
1.個々の診断技術における可能性の検証
現在、実験的に行われているシステムについて、例えば黄疸の診断が可能がどうか、在宅療養患者の通院を補うことが出来るか、等を検証する。又、現在の技術水準から考えて、困難と考えられる行為について考察する。
2.技術に対する医療の立場からの要求の検討
映像の精細度、色調、伝送速度、及びこれを表示するモニターの性能等について医療の立場からの要求の検討を行う。
(3)放射線画像伝送による連携 放射線画像伝送による連携について、
1.技術に対する医療の立場からの要求の検討
放射線画像の解像度、階調、伝送速度、及びこれを表示するモニターの性能等について医療の立場からの要求の検討を行う。
2.画像伝送による医療連携の取り扱いの検討
放射線画像伝送による医療連携を共同診療として位置付けることについての検討を行う。
(4)病理画像伝送による連携1.技術に対する医療の立場からの要求の検討
病理画像の解像度、色調、伝送速度、及びこれを表示するモニターの性能等について医療の立場からの要求の検討を行う。
2.画像伝送による医療連携の取り扱いの検討
病理画像伝送による医療連携(特に術中迅速診断)の位置づけについての検討を行う。
(5)診療支援システム情報通信を介したカンファレンスシステム等について
システムの互換性の確保
国際的な動向との整合性、等を検討する。
(6)CRT等の表示装置CRTモニター等の表示装置について、
1.性能管理の方法
2.(2)〜(5)の医療上の要求に対する技術的な可能性等を検討する。


3.活動録(1996−1997)

活動班MayJunJulAugSepOctNovDecJanFebMar 内容
総括          研究班準備会(5/22 東京大学山上会館)
第一回班会議(10/1 学士会分館)
第二回班会議(2/18 学士会分館)
映像           第一回班会議(8/3  東京大学山上会館)
第二回班会議(9/3  国立小児病院)
放射線           第一回班会議(8/9  品川御殿山森ビル)
第二回班会議(2/28 国立がんセンター中央病院)
病理          第一回班会議(10/9 東北大学良陵会館)
第二回班会議(12/9 国立がんセンター)
診療支援            第一回班会議(9/13 国立がんセンター)
CRT       第一回班会議(7/22 機械振興会館)
第二回班会議(8/19 機械振興会館)
第三回班会議(11/11機械振興会館)
第四回班会議(1/9  機械振興会館)
第五回班会議(2/5  機械振興会館)
第六回班会議(3/10 機械振興会館)
全体      


第一回研究会準備委員会(10/28東京大学山上会館)
第二回研究会準備委員会(12/17学士会分館)
第一次実地調査(1/13〜14 広島、兵庫)
第二次実地調査(1/28〜30 長崎、大分)
第三次実地調査(2/13〜17 北海道)
第三回研究会準備委員会(2/18 学士会分館)
第一回遠隔医療研究会(3/5 全社協・灘尾ホール)
第四次実地調査(3/24〜25 山形、福島、岩手)