目的:医療従事者の活動や患者のアウトカムを改善するうえでの訪問看護の有効性を明らかにする.これまで訪問看護は医師によって特別に指示され,医療従事者の活動を改善させる介入として認定されてきた.向かい合う訪問であるこの種のタイプは大学に基礎を置く教育の項目,公益の項目,理論的な項目として引用されてきた.検索方法:医療従事者の活動を改善する目的の介入研究であると認識された論文の参考文献リストの論評とともに,コンピューター化されたMEDLINEとCINAHLの検索を行った.
選択基準:研究デザイン=一つかそれ以上の介入群に対するランダム,あるいは準ランダムな参加者の割付.対象者=学生を除く医療従事者.介入=ヘルスケアプロバイダーとして訓練された人による,個人的な訪問であると定義された訪問看護.アウトカム=ヘルスケアの現場で客観的に測定されたされたプロバイダーの行動(出された検査の数,特定の薬の処方など)や患者のアウトカム(血圧など).
データ収集と解析:研究の質は,6つの判定基準を用い,二人の評価者によって評価された.研究方法,対象者,介入,そしてアウトカムに関する情報が抽出された.
主な結果:18の研究が全ての包含基準を満たした.訪問看護の介入は全て,記述された資料や会議を含んだいくつかの構成要素で成り立っていた.注意や講義,フィードバック(結果による原因の修正)によって改良される訪問もあった.13の研究で,対象となる行動は指示された活動であった.3つの研究では,禁煙のためのカウンセリングを含む予防サービスだった.2つの研究では訪問看護を,喘息,糖尿病,中耳炎,高血圧,不安,そして急性気管支炎を含む一般診療で遭遇するありふれた問題の一般的な対処を改善するための活動として評価を行っていた.全ての研究で医師の行動を調査し,3つの研究では,看護婦のような他の医療従事者やナーシングホームの職員やヘルスケアワーカーが教育的な介入の対象とされた.活動の肯定的な効果は,全ての研究で認められた.患者のアウトカムを評価した研究は一つだけであった.また訪問のコストの有効性を調査した試験はほとんどなかった.
結論:教育的な訪問看護は,特にそれが社会の市場と結びつく時には,特に処方などの専門家の行動を修正する見込みのあるアプローチのようだ.今後は,これまでとは違った観点から訪問看護の有効性を評価したり,訪問看護の成功のために大切なそれ自身の重要な特性を同定したりする研究が必要とされる.訪問看護の費用対効果はあまり評価されていない.
Citation: Thomson MA, Oxman AD, Davis DA, Haynes RB, Freemantle N, Harvey EL.. Outreach visits to improve health professional practice and health care outcomes. In: The Cochrane Library, Issue 1, 1999, Oxford: Update Software.
(日本語翻訳:高口恵子/白石由里,山田誠史)