目的:ヘルスサービスの利用における外来薬剤師の役割の拡大の効果とヘルスサービスのコスト,患者のアウトカムを調査する.検索方法:CCEPPのレジスター(同グループの比較臨床試験特別レジスターの詳細を参照)の検索,MEDLINE,EMBASE,PHARMLINEとInternational Pharmaceutical Abstractの電子媒体による検索,5つの雑誌と2つの文献のハンドサーチ,3つの会議から発表された抜粋のハンドサーチ,そして確認されている全ての関連ある研究と論評の検索.
選択基準:試験のデザイン:ランダム化比較試験(RCTs),阻止時間分析(ITS),コントロール群での前後試験.比較:1.患者を対象とした薬剤師によるサービスに対する,他のヘルスケア専門家により提供された患者サービス,2. 患者を対象とした薬剤師によるサービスに対する,介入なし,3.ヘルスケア専門家を対象とした薬剤師のサービスに対する,他のヘルスケア専門家により提供された患者サービス,4. ヘルスケア専門家を対象とした薬剤師のサービスに対する,介入なし.対象者:外来でサービスを提供する薬剤師(または薬局).病院や熟練した看護施設で働いている薬剤師は除外した.介入:薬剤師により交付された調剤以外の全てのサービス.サービスは,患者対象,ヘルスケア専門家対象,または両者対象に分類された.評価された他の介入の詳細な記述はEDITIONALS for METHODS USE IN REVIEWSを参照のこと アウトカム:専門的な行為,あるいは患者の健康面でのアウトカムの客観的評価.
データ収集と解析:データ抽出と質の評価はデータチェックリストを用い,二人の評論家により独立して処理された.(METHODS USED IN REVIEWS under EDITIONAL INFORMATION IN GROUP DETAILSを参照のこと).17の試験が選択基準を満たした.それらのうち3つは先の分析から除外された(EXCLUDED TRIALS TABLEを参照のこと).比較試験1として1つの試験が認定され,比較試験2として7つが,比較試験3として1つが,比較試験4として6つが選ばれた.この研究に含まれた14のうちの2つの試験が,離れた位置から比較された前後の設定試験であり,残りはランダム化比較試験である.
主な結果:比較1について,専門家のアウトカムに関する変化は,外来受診の24%増加から入院の16%の減少である.患者のアウトカムに関する変化は小さく,統計学的に意味のあるものはなかった.比較試験2では,ケアの過程を測定する4つの研究はヘルスサービスの利用において,入院での-67%から全ての外来ケア受診での-564%へ減少したことを証明した.同様に,コントロールの患者と比べて薬の数とコストも減少した.患者のアウトカムを測定した5つの研究について,対象となる患者の状態の改善は一貫して報告された.比較試験3について,薬剤師により提供された介入は,不適当な抗生物質の処方の減少において,医師の相談の介入ほど効果的ではなかった.4の比較試験について,全ての試験は,薬剤師による介入は医師の処方活動を効果的に導くことを証明した.患者のアウトカムを測定した試験はなかった.
結論:分析された限られた数の研究は,患者のカウンセリングと医師の教育における薬剤師の役割の拡大を支持している.しかし,研究の普遍性についての誤りと,試行された介入の状態の定義が不十分であったこと,コストの評価と患者のアウトカムのデータを含む研究の欠如は,外来薬剤師の介入の効果を証明するためにより正確な研究が必要であるということを指摘している.
Citation: Bero LA, Mays NB, Barjesteh K, Bond C. Expanding outpatient pharmacists' roles and health services utilisation, costs, and patient outcomes. In: The Cochrane Library, Issue 1, 1999, Oxford: Update Software.
(日本語翻訳:高口恵子/白石由里,中島嘉之)