■がん転移Q&A - 回答
Q4 がんの転移はどのようにして見つかるのでしょう?診断の方法は?

A 矢野聖二
(金沢大がん研・腫瘍内科)
 がんの種類によっては原発部位の症状よりも、転移による症状が先に現れることがあります。たとえば、腰骨に転移したときの腰痛や骨の痛み、脳転移したときの麻痺や頭痛、しびれなどです。また、転移が皮膚や体の表面のリンパ節にできたときには硬い塊として触れることができます。患者さん自身が塊を触れることに気づいて病院を受診し、転移が見つかることもよくあります。一方、転移したがんがまだ小さいうちは症状が現れないことが一般的です。 
 転移を診断する方法としては、脳転移は脳MRI(核磁気共鳴検査)を、肺転移・肝転移・副腎転移・リンパ節転移などは胸部・腹部のCT(コンピュータ断層検査)を、骨転移は骨シンチを行います。腹部については超音波検査も行われます。最近ではPET(陽電子断層撮影)という検査で脳以外の臓器の転移を1度の検査で調べることができます。(下の図を参照)
 転移を診断する検査は、がんと診断されたときや、がんの治療の前後、治療が終了して半年、1年、2年といった節目に行います。また、症状がなくても、急に腫瘍マーカーが上昇してきた場合も転移の可能性があるため、このような検査を行います。