ウロキナーゼ型プラスミノゲンアクチベータ(uPA)
【ウロキナーゼ型プラスミノゲンアクチベータ(uPA)とは】
ウロキナーゼ型プラスミノゲンアクチベータ(urokinase type plasminogen activator: uPA)は、411アミノ酸残基からなる分子量約55kDaの一本鎖糖蛋白質です。多くの凝固線溶系の酵素同様、セリンプロテアーゼの一種です。ヒトの尿から単離されたため、ウロキナーゼ(urokinase)という名前が付けられましたが、リン酸化酵素ではないため「kinase」という名前は適切ではありません。しかし有名になりすぎているため名前を変更するのが難しく、そのため「ウロキナーゼ型」という名前を残しつつも、酵素としての本体である「プラスミノゲンアクチベータ(PA)」と結びつけることで、現在のような名前になっています。
uPAは他の多くの凝固線溶系の酵素同様、活性を持たない前駆体である1本鎖uPA(single-chain uPA; scuPA)として合成され血中に放出されます(プロウロキナーゼ; prourokinase(pro-UK)とも呼ばれます)。scuPAはプラスミンや血漿カリクレインによりLys158-Ile159が切断され、二本鎖活性型高分子uPA(two-chain-uPA; tcuPA)となり、プラスミノゲンのArg561-Val562を限定分解するプラスミノゲンアクチベータ活性を発揮します。tcuPAはプラスミンなどによってLys135-Lys136とArg156-Phe157が切断され、分子量31.5kDaの低分子uPAとなります。尿中から得られるウロキナーゼ型プラスミノゲンアクチベータはtcuPAです。