幾何平均
このページでは数式にLATEXを使用しています。表示がうまくいかない場合は、ブラウザの変更等を試してください。
【幾何平均とは】
幾何平均(geometric mean)とは、相乗平均とも呼ばれる代表的な平均の一つです。データの値を掛け合わせた値(総乗)のn乗根の値です。
式は
\[\displaystyle G = {\left(\textstyle \prod \limits _{i=1}^{n}a_{i}\right)^{\frac {1}{n}}={\sqrt[{n}]{a_{1}a_{2}\dotsb a_{n}}}}\] です。
正直、専門外ではわからない式です。Π(パイと呼びます)など普段使用しませんが、全てのデータを掛け合わせた積を示します(Σ(シグマ)が総和を示すのと同じです)。
細かい式の展開は調べていただくとして、幾何平均の対数は、値の対数の算術平均に等しくなります。
\[\displaystyle log(G)={\frac {1}{n}}{\textstyle \sum \limits _{i=1}^{n}log(a_{i})}\]
逆に言うと、データの値の対数の算術平均で対数をとった底の価を累乗する値となります。 \[\displaystyle G=exp({\frac {1}{n}}{\textstyle \sum \limits _{i=1}^{n}log(a_{i})})\]
臨床検査の領域ではしばしば経験することですが、健常人の検査結果を分布などでは、低い値に偏った非対称性の分布を呈することがしばしばあります。この様な場合には、対数を取ると正規分布に近似できる場合があり、変換することでさまざまな解析に於いてメリットがあります(例えば、試薬間の相関の解析など正規分布している場合には相関係数などの解析がやりやすくなります)。この様に対数で変換したのちに、算術平均を算出し、対数化した数値を指数関数でもとに戻すと幾何平均が算出できます。このため、幾何平均は検査結果の評価などにしばしば用いられます。
幾何平均はその特性上、正の数にしか適応できません(負の数はもちろん、0の値でも適応できません)。

【加重幾何平均】
データの各要素に重みがある場合には、各要素の重みを勘案した幾何平均を用いる場合があります。算術平均に対する加重平均と同じように、幾何平均に対する加重幾何平均もしくは重み付き幾何平均と呼びます。 \[\displaystyle G = {\left(\textstyle \prod \limits _{i=1}^{n}a_{i}^ {w_{i}}\right)^{\frac {1}{p}}}={\sqrt[{p}]{a_{1} ^ {w_{1}}a_{2}^ {w_{2}}\dotsb a_{n}^ {w_{n}}}}\] \[\displaystyle p={\textstyle \sum \limits _{i=1}^{n}w_{i}}\]