乳児ビタミンK欠乏性出血症
【乳児ビタミンK欠乏性出血症とは】
出生後7日以降、特にに生後 3 週から 2 ヵ月までの母乳を中心としている乳児に発症するビタミンK欠乏に基づく出血性疾患です。肝胆道疾患や遷延性下痢、長期間の抗生剤投与などビタミンK欠乏を引き起こしうる病態に引き続く二次性(続発性) と,母乳哺育以外に明らかな誘因が認められない特発性に大別されます。新生児と同様に、腸内細菌叢が未発達であったり、吸収脳が低かったりが背景にあります。特発性では、男児が女児の2倍多く、初夏から晩秋にかけて多いなどの疫学的特徴があります。乳児ビタミンK欠乏性出血症では新生児のそれと異なり、8割以上に頭蓋内出血が認められ、このため予後不良な病態です。ビタミンK欠乏性出血症の予防のために、現在では出生直後および生後1週間(産科退院時)ならびに生後1か月の3回、ビタミンK2シロップ1ml(2mg) をすべての合併症のない成熟新生児に投与する方式が普及しています。