Temozolomide/テモゾロマイド、テモダール





新化学療法剤テモゾロマイドについて


テモゾロマイド(テモダール)は新しい化学療法剤です。口からのめるお薬
(経口薬)ですので、外来通院での治療が可能です。少し専門的ですが、
分子量が194と小さいので「血液脳関門」を通過します。つまり血液中の薬
剤が脳に移動しやすいといえます。
欧米では数年まえからいろいろな神経膠腫(グリオーマ)での臨床治験が行
われてきました。もちろんすべての患者さんに有効であったわけではありま
せんが神経膠芽腫の再発の患者さんで2割に効果があった、あるいは退形成
性星細胞腫(グレード3)の再発の患者さんで46%に効果があった、といっ
た報告があります。これらは再発の方を治療した結果であることを考えると
とても良い結果だと考えられます。多くの国で治験(実験的な治療)の段階
がすぎて実際に臨床で使われていますが、まだ日本では厚生労働省による認
可が得られていません。
なんとかこのお薬が日本でも認められる日がこないかとの関係者の努力で、
このたびこのお薬が日本で使えるようになるかどうかを試すための治験が始
まることになりました。この治験は再発した退形成性星細胞腫の患者さんを
対象に行われることになりました。治験がきちんと行われるように非常に厳
密なプロトコール(きまり)を決めた上で治験を行うことになりましたので
いまのところは全国の限られた病院だけでおこないます。いま現在手続きを
すすめている病院もあります。帝京大学では倫理委員会での審査も終わり、
正式な手続きが終了して、このお薬による治療が始められることになりまし
た。厳密な決まりがありますのでどの方にも治療が可能というわけではあり
ませんが、手術や従来の放射線治療で再発した退形成性星細胞腫の患者さん
への新しい治療法ということで期待がもたれています。この治療に関するお
問い合わせは下のアドレスまで御連絡ください。


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August 23, 2003