FujimakiMail.HTMLTEXT Neurosurgery / Snow Board Head Injury
スノーボードのけが

藤巻が全国の脳外科医にお送りしたメールです。

東大脳神経外科　藤巻高光と申します。  
私が非常勤をしている諏訪中央病院でスノーボード外傷が昨シーズン
から 目立つようになり、急性硬膜下血腫のみならず、動脈の引き抜き
損傷 まであり、先日の脳神経外科総会でも医長の中口先生より発表し
ました。 今シーズンもすでに数人がASDHでnear vegetative stateになっ
たり しています。スキー場から病院まではどこも１時間以上かかると
ころが 多く、その時間もcriticalになるようです。初心者、緩斜面でも
重傷頭 部外傷を起こすという点で重大だと考えています。急激な回旋
力で、脳 挫傷を伴わずに静脈損傷をおこす機序もいわれてきているよ
うです。 総会の時も市立大町病院のおびなた先生がスノーボード外傷
が非常に多 いとおっしゃっていました。 中口先生が経験した症例は
近々脳神経外科ジャーナルに掲載予定ですが 若者たちはこの危険性を
全く認識せずにどんどんスノボをし、初心者が どんどん怪我をすると
いうパターンです。 この危険性を一般に知ってもらうべく某全国紙長
野支局の記者とも話を しましたが、いまだ、記事が掲載される気配が
ありません。 おそらくスノボ業界あるいは近づく長野オリンピック（ス
ノボは正式競 技として採用）に水をさしてはという本社レベルの判断
かと思います。 （わたしはそうこの全国紙がきらいなほうではありませ
んが、今回ははっ きりと悪口をいわせてもらいます） わずかに群馬
県の原口先生の投書が小さく投書欄にのったのみです。  と書いたと
ころで、某新聞１９日付け夕刊に「骨折急増」との 記事が掲載され
ました。しかし、実際に頭部外傷についての記載は ごく簡単で、また
しかし昨シーズン１５名の死者とは書いてあり ますが、この数以上に
あるような気もし、また本当だとしても disabledになった方の数はも
っとあるはずです。（大体遅きに 失している！。。。私もですが）  
公立昭和の永田先生も ご自分のＨＰで危険性についてアピールされて
い ます。 
http://www.kt.rim.or.jp/~nagata/answer-6.html#anchor177039  

まだ、スキーシーズンは大分あります。折から神経外傷研究会の開会
中ですが、 このさい脳神経外科医師みんなで危険性について発言すべ
きだと思います。  そこで、 １　みなさんどれくらいのスノボ外傷を
ご経験か？ ２　一般のかたにいかにアピールすべきか？ 私までご意
見をお送りいただければ幸いです。

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