UK-Japan気分障害ワークショップ/RIKEN
Mental Disorder Workshop
2011年2月22〜23日に、英国大使館において、UK-Japan気分障害ワークショップが行われました。
そのサテライト企画として、2月24日には、理研BSIにおいて、RIKEN
Mental Disorder Workshopが行いました。
今回、iPS細胞、ブレインマシンインターフェース、システムバイオロジー、地球温暖化などの最先端のテーマでワークショップを開いてきた英国大使館が、うつ病をテーマに選んでくださったことが最大の驚きでした。
大使館から、日本側のコーディネーターを依頼された時、英国側のコーディネーターは誰に頼みますか、と言われ、とっさに、(双極性障害の分子遺伝学研究といえば、誰もが真っ先に思いつく)ニック・クラドック教授の名前を、(まさか引き受けてくださるとは思わずに)挙げてしまい、どうなることかと思ったら、何と引き受けてくださり、仲間を4人引き連れて日本まで来てくださったことが第二の驚きでした。
そして、クラドック先生が、素晴らしい研究者であるだけではなく、bipolar
disorder research network BDRN(http://bdrn.org/)を作って双極性障害患者さんとのネットワークを維持するなど、臨床にも造詣が深く、患者さんのために貢献したいという強い熱意を持った方であることに感銘を受けました。クラドック教授を初めとする5人の先生方と、科学はもちろん、倫理、政策、日常生活に至るまで、さまざまな関心を共有できていることを知ったことも、大変喜ばしいことでした。
また、英国のウェルカムトラスト財団によるあの巨大なゲノムワイド関連研究の裏には、その実現に至るまでのさまざまな困難とそれを克服する努力があったことが思い知らされました。
そして何よりも感じたことは、日本の研究にも強みがたくさんあることも知り、英国をうらやましがっているだけではいけない、それぞれがやるべき研究を、自信を持ってしっかり進めながら、お互いに連携して解明を進めていくことが何より大事である、ということでした。
ご協力いただいた皆様、参加してくださった方々、本当にどうもありがとうございました。(加藤忠史)
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この度、英国ウェルカムトラスト財団による双極性障害のゲノムワイド関連研究を指揮したニック・クラドック教授、統合失調症のゲノムワイド関連研究を始めて報告したマイケル・オドノバン教授を初めとする、5名の英国の研究者が来日されます。
英国大使館が、日英の科学技術分野における連携を促進する目的で毎年開いているワークショップでは、これまで、iPS細胞、システムバイオロジー、ブレインマシンインターフェース、地球温暖化など、最先端のテーマが取り扱われてきました。
http://ukinjapan.fco.gov.uk/ja/uk-activities/science-innovation/activities-events/
このワークショップの、今年のテーマに選ばれたのが、何と「気分障害」だったのです!
この大使館でのセミナーのため、こうした一流の研究者を英国大使館が招いてくださることになったのですが、残念ながら、場所が場所だけに、クローズドのワークショップとなっております。
そこで、追加のワークショップを、理研脳センターにて行わせていただくことになりました。
Program
Session 1: Genetics of mental disorders
Chair: Tadafumi Kato
13:00
Opening remarks
RIKEN Executive Director (Mr. Akihiro Fujita)
13:05-13:30
Takeo Yoshikawa
Genetic analyses of psychiatric illnesses: from mouse to human
13:30-13:55
Nick Craddock
Molecular genetics of bipolar disorder
13:55-14:15
Takaoki Kasahara
Mitochondrial DNA polymerase (POLG1) and bipolar disorder: From genetics to animal models
14:15-14:40
Michael O’Donovan
Schizophrenia: the genome wide view
14:40-15:00
Jun Aruga
Possible role of SLITRK genes in mental disorders
Coffee break
Session 2: Neuroanatomy and neuroendocrinology of mental disorders
Chair: Takeo Yoshikawa
15:20-15:35
Kevin W. McCairn
The comparative effects of pallidal deep brain stimulation in basal ganglia hypo and hyper-kinetic motor disorders in non-human primates
15:35-16:00
Andrew McIntosh
Neuroimaging studies of mood and psychotic illness
16:00-16:20
Kumi Kuroda
Neurobiological basis of mammalian parental behavior
16:20-16:45
Ian Jones
Gender and mood disorders
16:45-17:05
Masakazu Agetsuma
Role of habenula in the regulation of emotion
17:05-17:30
Hamish McAllister-Williams
Mood Disorders, HPA axis function and cognition
17:30-19:30
Reception
Masao Ito Lounge
Organizer: Tadafumi Kato (RIKEN Brain Science Institute)