私も父を強制入院させました

 

私も、63歳の父を、入院させました。

最初に変だと気づいたのは、1日中電話をかかえこみ、知人と次々に連絡をとっていたことからでした。初めのうちは、寂びしがりやで話好きのせいかと思っていましたが、電話が思うようにつながらないと、NTTにもの凄い勢いで怒るようになり、ついには、自分の問いかけに思うように返事が返ってこないと、子供にまで手をあげたり、気になった事を何でもかんでも文面に残すようになりました。

変だと思い、整形外科から心療内科、精神科へと、先生に口裏を合わせてもらいながら、何とか受診しました。躁状態であるとは診断されたものの、病室の空きがないから外来で薬を飲みながら1週間様子をみましょう、と言われた矢先の出来事でした。

自分の病状が気になって他の病院へ入りこんで聞いて回る、家族の静止もきかず家の外に出ていって、道路に飛び出して車を止めてしまう、などの状態となり、ついに嫌がって暴れる父を無理やり入院させ、保護室にいれたのです。鍵と鉄格子の部屋。病気を治すためとはいえ、罪悪感で押しつぶされそうです。心臓病、糖尿病、胆石、と病気のお蔵のような父にとって、どれだけの負担があるのかと思うと、心配でなりません。

元来、正義感が強く、自分の信念を持った父でした。今回も、はたからみたら、全く無茶な事をしているようではありましたが、電話ばかりしているとはいえ、その内容は誰もが疑問に思っている事や、自分が望んでいる事を直接問い合わせているだけでしたし、電話でわかったことは実行もしていましたから、意外としっかりもしていたのです。

これまで、会社でも仕事が出来ると評価されて昇進してきましたし、興奮しやすい、無理を通してでも実現する、というのも、元々の性格だと思えば、そう思えるようなことでしたから、どこからが病気だったのか、今思うとよくわかりません。

元々は、家族思いで、子や孫のためにできる限りの事をしてくれる、とっても優しい父なのです。

入院が良い方向に向かう事を信じ、願っています。Aさんのお気持ちが痛いほどよくわかります。

 

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