第25回 日本小児外科学会秋季シンポジウム
会長挨拶
第25回日本小児外科学会秋季シンポジウム開催にあたって

 第25回日本小児外科学会秋季シンポジウムを鹿児島の地で平成21年10月31日に開催させていただく事になりました。第1回秋季シンポジウムは順天堂大学の有山記念講堂で駿河敬次郎先生が会長を務められました。その当時は順天堂でお手伝いをさせていただきましたが、それから既に24年経つのかと思いますと、感慨深いものがあります。今回頂いたテーマは「術後評価からみた高位鎖肛各術式の功罪」であります。鎖肛(直腸肛門奇形)に関するテーマは第2回里村紀作会長の時に「高位鎖肛手術術式の工夫」が取り上げられ、第21回谷風三郎会長の時に「小児における泌尿生殖器異常」の中で総排泄腔異常が取り上げられています。直腸肛門奇形の術後排便機能については学術集会、研究会では何度も取り上げられていますが、このシンポジウムのテーマとして討議する機会はありませんでした。腹会陰式、仙骨会陰式、腹仙骨会陰式手術が行われていた1982年にPena and de VriesがPosterior Saggital Anorectoplasy (PSARP) を報告しました。1984年のSan Diegoでの太平洋小児外科学会での発表打ち合わせのためにUCLAに1週間ほど滞在しましたが、その時Fonkalsrud教授にPena教授がビデオ(当時は16mm映画?)で手術を紹介するのに同席しました。私としては大変に感銘を受けた手術でしたが、中間位・高位鎖肛に対しては仙骨会陰式手術でPSARPと同等の排便機能が付与できると考えておりました。ただ、総排泄腔症例、排便障害再手術症例には有効な手術だとの印象を持ちました。それから25年が経過し、我が国でもPSARPを行う施設も増えました。25年の間に直腸肛門奇形症例(高位)に対しても腹腔鏡補助下の手術が導入され、今後、術後排便機能が如何に変わって行くか興味の持たれるところです。
 術後排便機能については日本直腸肛門奇形研究会の臨床的評価が作成されましたが、依然としてKelly Scoreを用いる施設もあります。第25回という節目に、直腸肛門奇形の手術術式と排便機能について、功罪と言うことですから、何が良くて、何が悪いと一日中討論するのも楽しいのではないかと思います。排便機能の評価方法、長期的排便機能、尿生殖機能などに関する発表を期待しています。まだ歴史は浅いですが腹腔鏡補助下手術の短・中期的排便機能についても報告をお願いします。
 今回のシンポジウムには東京医科歯科大学佐藤達夫名誉教授にお出で頂き、骨盤底の解剖をお話しいただく事にしております。それぞれの術式の問題点、特徴などを考える上で参考にして頂けるのではないかと考えております。
 皆様方のふるっての応募をお待ちしております。

 

第25回日本小児外科学会秋季シンポジウム会長
熄シ 英夫
(鹿児島大学医学部・歯学部附属病院 病院長)