搬送システムによる診察前報告の条件

○杉岡陽介 中尾哲也 下坂浩則 畑山良己 
 中原一彦    東京大学医学部付属病院 検査部

「はじめに」
当院では平成5年7月より検体前処理搬送(以下LA)システム
(東芝メディカル社製)を稼働させ検査結果報告の迅速化及び
省力化に伴う診療サービスの向上に努めてきた。
今回、当院で稼働している迅速結果報告をめざしたLAシステムを報告する。

「特徴」
当院LAシステムは1本搬送による無駄のないランダム処理を可能とした
ことを特徴とする。これにより検体個々での管理が可能となり
1本ずつの振り分け及び検体番号順での
搬出等、現場のニーズにあった搬送システムが確立した。

「ハード構成」
仕分けライン、生化免疫イムノアッセイライン{TBA80M,80FR(東芝)各1台,AIA1200(東ソー)2台},
血液ライン{STKS(日科機)2台,H8200(日立)1台,HS200(NE8000,R3000)}
血糖凝固ライン{グルコローダーNX(シノテスト)2台,CR-700(国際試薬)2台}の4ラインより構成する。
また平成8年度よりヘモグロビンA1cラインを接続予定である。

「システムの概要」
オーダリングシステムによりオーダー入力と同時に出力されるバーコードラベルを
入院は病棟で外来は採血時に採血管に添付しペーパーレスで検査部に提出される。
検体は採血室後部のLA搬入口より搬入し各ラインで処理される。
測定結果はリアルタイムデータチェック(上下限値、前回値、項目間差、ハードエラー)、
リアルタイムデータ送信などを行い、必要があれば自動再検にまわる。

「報告時間」
全外来患者を対象とし受付から採血待ち時間及び採尿時間等を含め、
80%報告達成時間は生化学74分、血液28分、血糖74分、凝固47分であった。

「必要条件」
1.人的介在部の簡素化(検体処理体系をバッチからリアルタイムへ移行)
2.採血室を含めた搬送システムの構築(検体搬入までの導線の縮小)
3.生化学検体の凝固待ち時間短縮及び自動化
4.検体渋滞対策
5.採血待ち時間の短縮化
6.複数小型機種で構成する搬送システムの構築
(大型機種によるバッチ処理ではなく複数の小型機種によるランダムアクセスを可能としたシステムの構築)

「まとめ」
検体搬入までの導線により報告時間が変わってくる。またLAシステムを
生かすためにもバッチからリアルタイム処理への運用変更も重要な要素である。  


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