95自動化学会抄録

「はじめに」
我々は、第26回大会(1994年)において「総合検体搬送システムの導入効果」
と題し搬送(以下LA)システムの病院内での評価および今後の検討課題に
ついて報告した。今回、測定結果報告までのターンアラウンド時間について、
外来患者の検査受付から臨床までの報告時間をLAシステム内での処理時間を
交え検討したので報告する。

「対象時間」
外来患者の受付から結果報告までのフローを下記に示す。
患者受付(バーコードラベル発行)→採血→検体仕分→LAライン搬入→
測定→結果報告
今回の測定結果報告までのターンアラウンド時間とは患者が検査部受付
で受付をした時点をスタート時間とし、採血の待ち時間や採尿時間
等も考慮した、またエンド時間は検査部ホストCPUにデータが書き込まれた
時間とすることによって、結果報告までのターンアラウンド時間とした。
また、LA内ターンアラウンド時間は検体をLAラインに搬入した時点をスタート時間とし、
測定後検査部ホストCPUにデータ送信した時間をエンド時間とした。
なお、LAシステムと検査部ホストCPU間は リアルタイムデータ送信を行なっている。
「対象分析機器」
診察前検査対象項目がありLAシステムと接続している生化(TBA80M)、血液(STKS)、
血糖(グルコローダーNX)、凝固(コアグレックス700)を対象とした。

「結果および考察」
検体数は月曜日が多くその他の曜日は安定しているため、月曜日と火曜日の
LA内ターンアラウンド時間の1日平均と臨床までの70%報告達成時間を表に示す。
LA内ターンアラウンド時間は前回発表同様の結果であった。
月曜日は入院検体が集中するため、報告時間が遅くなっている。
また、臨床までの報告時間は現在70%の外来患者で診察前検査を実施している
ことより70%報告達成を目標とした。採血待ち時間はピーク時で
約20分、通常約5分である。生化学で74分要しているのは、
検体凝固時間がありLA搬入までに約20分を要していることが原因と
思われる。血糖で77分要しているのはLA搬入前に、HbA1C測定を
行なっているため分析に時間がかかり(1検体/3.5分)HbA1Cのオーダー
がある検体では時間がかかっていると思われる。

「まとめ」
全体的にLA内と受付後報告時間に差がみられた、これは受付→
採血→LA搬入、までの間での人の動きに左右される箇所での
ロスタイムである。今後さらに、運用、その他で検討が必要と思われた。
また、生化学に関してはLA搬入までの時間短縮、血糖に関しては
HbA1C測定の迅速化が今後の課題であった。

『文献』杉岡陽介、他JJCLA,19(4);473,1994
杉岡陽介、他;東大病院でのラボラトリィーオートメーションシステム
;新医療No,242,1995


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