第36回日本脳卒中の外科学会
 The 36th Annual Meeting of Japanese Society on Surgery for Cerebral Stroke





















 ご挨拶

 私は昭和48年に三井記念病院で斉藤勇先生、上田裕一先生にめぐり会って脳血管障害を専門とすることを決意しましたが、東京大学、群馬大学を経て九州大学に移り、この度、第36回日本脳卒の外科学会をお世話させていただくこととなりました。伝統ある本学会を九州の福岡でお世話させていただけますことを九州大学脳神経外科学教室の教室員一同と共に大変光栄に存じます。

 私が脳神経外科の手術をはじめた昭和50年代は、高血圧性脳内出血に対するtranssylvianapproachによる高血圧性脳内血腫の摘除術、破裂脳動脈瘤に対する急性期クリッピング術とくも膜下血腫除去、脳虚血に対する血管吻合術、脳動静脈奇形に対する積極的な摘出術など昼夜を問わず手術に明け暮れていた時代でした。脳神経外科医の数も少なく、激務でしたが充実感に満ちていました。その後、画像診断装置や手術機器改良、内視鏡やナビゲーションなどの手術支援装置の普及、血管内手技の発達、ガンマーナイフの導入、術中脳機能モニターリングの導入、などによって、治療成績は確実に向上しており患者さんにとって好ましい状況になりつつあります。しかし、その一方で、「手術が好きで脳神経外科医を目指した」原点を脅かす状況も生まれつつあります。EBMに基づいた医療、診療ガイドラインにのっとった医療、結果至上主義などによって、外科医が新たな挑戦をしにくい状況が生まれ外科医が萎縮し始めているのではないでしょうか。無謀な挑戦をすることは許されませんし、良い結果を残さなければならないのは当たり前ですが、どんな外科手術にも一定の危険性があることもきちんと発信し、外科治療がもたらす利点と共にそれに伴う危険性を認識していただく必要があります。そうした外科手術にともなう一定の危険性を明確にし、反省とそれを克服するための工夫、そして新たな挑戦が必要ではないでしょうか?そうした観点から、今回の学会のテーマを「過去の反省から新たな挑戦」とさせていただきました。反省と新たな挑戦なくして進歩はありませんが、安全で確実な手術を行わなければならないことは、云うまでもありません。そのために必要な、各種脳機能モニターリングの問題点と工夫、難易度の高い疾患に対する手術手技の工夫、血管内手術手技の問題点と工夫、などについてシンポジウム、モーニングセミナー、ランチョンセミナーを計画しております。また、手術手技の教育を目的として、達人といわれる先生方の手術をビデオで提示していただく特別企画も計画しております。

 本学会は、例年の如く、「Stroke 2007」として、日本脳卒中学会(佐渡島 省三 会長)とスパズムシンポジウム(渡辺 高志 会長)との協同開催とさせていただきます。佐渡島会長、渡辺会長と協力しあって、3学会が実り多い会になりますように精一杯頑張りますので、多数の会員の方々にご参加いただき活発な討議をして頂けます様、お願い申し上げます。

 2006年7月吉日

第36回日本脳卒中の外科学会  

会長 佐々木富男