乏突起膠細胞系腫瘍 (oligodendroglial tumors)
乏突起膠腫 (oligodendroglioma),退形成性乏突起膠腫 (anaplastic oligodendroglioma),乏突起星細胞腫 (oligoastrocytoma),退形成性乏突起星細胞腫 (anaplastic oligoastrocytoma)
- 乏突起膠細胞系腫瘍(oligodendroglial tumors)とはグリオーマ(神経膠腫)と呼ばれる脳腫瘍の一種です
- 業界用語でまとめてオリゴといいます
- 脳を作る細胞(乏突起膠細胞)から発生すると考えられていましたが最近は異論もあります
- 主として成人の大脳から発生する腫瘍ですが小児にも稀ではありません
- 浸潤性に脳にしみ込むように発育するので大きくなると摘出できなくなります
- オリゴにはグレード2と3があります
- 悪性度の高いもの(グレード 3)は退形成性乏突起膠腫と退形成性乏突起星細胞腫です
- 一般に星細胞系腫瘍の部分像が少ない方が予後が良いです
- 悪性度にはいろいろありますが,どのようなオリゴでも大きくなって脳を広範に侵せば命が危ない疾患なのでとても良性腫瘍とは言えません
- でも星細胞系腫瘍(星細胞腫と膠芽腫)よりは治る期待は大きいです
- グレード3の退形成性乏突起膠腫の5年生存割合は70%くらいになりますが,グレード3の退形成性乏突起星細胞腫はもっと低い確率になります
- 分化度の高いグレード2の腫瘍は20-30年もかかってゆっくり大きくなって症状を出すものもあります
- ですから,てんかん発作のみで発症した若い患者さんの高分化型の乏突起膠腫は治療しないで様子を見た方がいいこともあります(ただしグレード2と考えられる,腫瘍が大きくない,周囲の脳を圧迫していないという条件下です)
- 組織型によっては1月くらいでびっくりするくらい広がってしまうものもあるので、乏突起膠細胞系腫瘍といっても予後は千差万別ですから治療選択は慎重に
- CTで石灰化(石灰の固まりが白く映る)が大きく見られる腫瘍は良性度が高いと判断されます
- 良性度の高いものは手術で全摘出できれば治癒することもあります
- 手術でできるだけ取った方が治る確率が増します
- でも手術で全部とれない時には放射線で治療をします
- 残念ながら手術後の放射線治療に化学療法を加えた方が生存率が高いという証拠はありません
- 化学療法ではPCV療法(プロカルバジン、ロムスチン,ビンクリスチン)が有名でしたが、初期治療に使用しても生存期間の延長はないとされています
- 日本ではCCNUが使えないのでACNUニドランを替わりに使用(PAV療法)しますが、有効ではあるもののPCVと同じかどうかは証明されていませんでした
- グレード3のオリゴの標準治療は,局所放射線治療とテモゾロマイド化学療法と言えます
- 化学療法は有効で腫瘍が小さくなることが多いのですが,めったに完全に消えたりはしません
- 第1染色体と第19染色体の欠失がある腫瘍には制がん剤がよく効きます,ですから治療選択のためにそれを調べるべきです
- とても注意しなければならないのは,化学療法だけで治癒することは少ないということを知っておくことです
- 手術だけできる病院で治療できる疾患ではありませんから,乏突起膠腫などのグリオーマと診断された時には少なくとも放射線治療ができる病院で治療を受けましょう
- 放射線治療はガンマナイフよりは従来の分割照射を使うべきです
- グレード3への放射線の量は60グレイというのが最も多いのですが,放射線による脳障害もかなり強く出ます
- 北海道大学ではグレード3には54グレイを使用しています
- また,病理診断がとてもむずかしい腫瘍ですから神経病理に詳しい病理医の協力が必要です
- 保険制度で乏突起膠細胞系腫瘍(オリゴ)に対してはテモゾロマイドの使用が認めらています
最新の情報(1p/19q欠失があるグレード3オリゴの初期治療にテモゾロマイドだけ使う)
Mikkelsen T, et. al.: Temozolomide single-agent chemotherapy for newly diagnosed anaplastic oligodendroglioma. J Neurooncol 92: 57-63, 2009
退形成性乏突起膠腫AOの初期治療で,1p/19q欠失がある腫瘍の36人の患者さんはテモゾロマイド段独治療,1p/19q欠失のない12人の患者さんはテモゾロマイドと放射線治療を受けました。1p/19q欠失のあった患者さんでのTTP無増悪期間中央値は29ヶ月,1p/19q欠失があって放射線治療も受けた患者さんのPFS無増悪生存期間中央値は14ヶ月でした。
解説:この論文の結果解釈は乱暴です。1p/19q codeletionがあるAOの患者さんの長期生命予後はもともと良いです。ですが,10年単位でみれば結果的には,多くの患者さんが再燃死亡します。治る可能性のある退形成性乏突起膠腫の初期治療で,放射線治療を省くというのは現時点では行き過ぎです。治癒(真の長期生存)を求めるなら初期治療は受け入れられるだけの治療をしなければなりません。
最新の情報(退形成性乏突起膠腫に大量化学療法を行なう)
Mohile NA , et. al.: A phase II study of intensified chemotherapy alone as initial treatment for newly diagnosed anaplastic oligodendroglioma: an interim analysis. J Neurooncol 89: 187-193, 2008
退形成性乏突起膠腫AOの初期治療で,用量の多いプロカルバジン,ロムスチン,ビンクリスチン(I-PCV)化学療法が行なわれて,反応のあった患者さんにはさらにAPBPCRによる大量化学療法(ブサルファン,チオテーパ)が加えられました。15人の患者さんで化学療法反応性があり,14人がAPBPCRを受けました。有害事象では,肝臓のVODで1人が亡くなっています。無増悪生存期間は36ヶ月以上でした。
解説:この臨床試験は中断されました。先行治療と前治療の副作用が強すぎるためでした。現在はI-PCVをテモゾロマイドに変更して同じ試験が継続されているとのことです。放射線治療をいきなり全くなくすというのはちょっと冒険過ぎます。
最新の情報(テモゾロマイドを放射線治療の前に使用する)
Vogelbaum, et. al.: Phase II trial of pre-irradiation and concurrent temozolomide in patients with newly diagnosed anaplastic oligodendrogliomas and mixed anaplastic oligoastrocytomas: RTOG BR0131. Neuro Oncol 2008 (Epub)
150mg/m2/dayのテモゾロマイドを7日間連続で服用して7日間休むという化学療法 (dose dense therapy) を6コースまで続けます。それから放射線治療とテモゾロマイドの治療を開始します。グレード3乏突起膠腫系腫瘍AO/AOAの39人の患者さんが治療を受けました。最初のテモゾロマイドの奏功率は32%で,腫瘍が消失した(CR?)のは6%で,かなり小さくなった(PR)のが26%で,腫瘍が大きくなってしまった(PD)のが10%でした。生存期間などについてははっきりした結果はありません。1p/19q lossのあった患者さんでは放射線前のテモゾロマイドの期間に1例も増悪例がなかったことが強調されています。
解説:いつものことですがグリオーマでのCRの定義が問題です。この論文の著者はT2/FLAIRでの完全な腫瘍消失をCRと厳しく定義したのでCRが2例(6%)しかなかったと書いていますが,ほんとうにそんなことがあるのでしょうか。部分摘出したグリオーマがT2/FLAIR画像で完全消失することはまずあり得ませんし,何らかの痕跡は残るはずなのです。放射線治療前テモゾロマイド強化療法の意義は,放射線照射野を越えて浸潤する腫瘍細胞に対しての強くて早い時期の化学療法を可能にすることであると書かれています。しかし,本当にそうでしょうか,放射線治療中と治療後のテモゾロマイド維持療法ではいけないのでしょうか。放射線治療は1日1.8Gyで59.4Gyまでなされていますが,この厳しい照射線量を減じることは可能かどうか知りたいところです。
最新の情報(退形成性乏突起膠腫に対して米国の専門家の推奨する治療法)
Abrey LE , et. al.: Survey of treatment recommendations for anaplastic oligodendroglioma. Neuro Oncol 9: 314-318, 2007
米国の神経腫瘍医にアンケート調査を行った結果です。染色体検査の結果が治療法の選択に極めて強い結果を与えているということでした。1p/19q欠失の有る無しで推奨する治療が変わっているようです。興味あることに米国ではこの検査料金は患者さんに請求されるのですが医師がその料金を知りませんでした。最も多く用いられていた治療法は,テモゾロマイドと放射線治療の併用 concurrentと,その後のテモゾロマイド維持療法でした。1p/19q欠失のある患者さんへは42%の医師が放射線治療をせずに化学療法(大部分はテモゾロマイド)を勧めていました。
重要な情報(1p/19q欠失があるグレード3オリゴにはテモゾロマイドの有効性が高い)
Brandes AA, et. al.: Correlations between O6-methylguanine DNA methyltransferase promoter methylation status, 1p and 19q deletions, and response to temozolomide in anaplastic and recurrent oligodendroglioma: a prospective GICNO study. J Clin Oncol 24: 4746-3138, 2006
標準的な放射線治療の後で再発したグレード3の退形成性乏突起膠腫AOと退形成性乏突起星細胞腫AOAの67人の患者さんににテモゾロマイドが投与されました。奏功割合は46% (17 CR, 14 PR)と非常に高いものでした。AOでは62%,AOAでは25%でしたから,星細胞腫の成分を含まない組織の方がテモゾロマイドの有効性は明らかに高い (p=0.003) 結果でした。生存期間中央値は31ヶ月,治療後3年での生存割合は43%です。組織検査で第1染色体単腕 1pと第19染色体長腕 19qの欠失があった腫瘍の奏効割合,無増悪生存期間,全生存期間は,そうでない腫瘍よりも明らかに良好な結果だとされています。しかし,MGMTメチル化とテモゾロマイドの有効性の関連ははっきりしませんでした。1p/19q allelic lossはpredictive and prognostic factorであると結論づけています。
解説:テモゾロマイド単剤で使用しても,再発したグレード3の乏突起膠腫系腫瘍にかなり有効であるという報告です。特に,1p/19q allelic lossがあるAOには大きな期待をもてます。しかし逆に,1p/19q lossがないAOAの患者さんはテモゾロマイドの単独投与では厳しい結果に終わっています。 生存期間が伸びるといっても大部分の患者さんは死亡しますから,再発をさせないような初期治療が重要だということには変わりはありません。
重要な情報(テモゾロマイドがグレード2の乏突起膠細胞系腫瘍の初期治療に効果がある)
Hoang-Xuan K, et al.: Temozolomide as initial treatment for adults with low-grade oligodendrogliomas or oligoastrocytomas and correlation with chromosome 1p deletions. J Clin Oncol 22: 3133-3138, 2006
フランスからの報告です。手術で病理が確かめられた66例の乏突起膠腫と乏突起星細胞腫の患者さんに,初期治療として放射線治療をせずにテモダールが投与されました。200mg/m2を5日間使う方法です。およそ11コースの化学療法がされているので1年くらいの投与期間です。51%の患者さんでけいれん発作などの症状が改善したそうです。部分的に腫瘍が縮小したのは31%の患者さん (PR 17%, MR 14%) で,61%では大きさが変わらなかったのですが,腫瘍が大きくなってしまったのは8% のみでした。 腫瘍が小さくなるのに12ヶ月くらいかかったとのことです。第1染色体単腕に欠失のある腫瘍の方がテモゾロマイドによく反応したと書かれています。
解説:テモゾロマイドは確かに乏突起膠細胞形の腫瘍に有効で腫瘍は小さくなるのですが,それで生存期間が延長できるかどうかはまだはっきりしていません。現在進行中の臨床試験は,グレード3の乏突起膠細胞系腫瘍に対して,放射線治療のみ,テモゾロマイドのみ,放射線とテモゾロマイドの併用を軸としたものです。この結果が発表されるにはまだ時間がかかります。
重要な情報(PCV化学療法は再燃までの期間を延長するが長期生存率を改善しない)
Cairncross G, et al.: Phase III trial of chemotherapy plus radiotherapy compared with radiotherapy alone for pure and mixed anaplastic oligodendroglioma: Intergroup Radiation Therapy Oncology Group Trial 9402. J Clin Oncol 24: 2689-2690, 2006
RTOGというグループが行った大規模臨床試験の結果です。グレード3の退形成性乏突起膠腫と退形成性乏突起星細胞腫の289人の患者さんが治療を受けました。半分の患者さんは手術後の放射線治療のみ,残りの半分は放射線治療の後で6コースのPCV(プロカルバジン、ロムスチン,ビンクリスチン)化学療法を受けました。放射線治療のみの患者さんにもし病気の悪化があった場合には化学療法が加えられています。
初期治療後に腫瘍がまた大きくなるまでの期間は,PCV化学療法をした群で2.6年,放射線治療のみの群で1.7年となり,PCV 化学療法の方が良かったのです。しかし,生存期間中央値はPCVの群が4.9年,放射線のみの群が4.7年と差がありませんでした。PCV化学療法を受けた65%の患者さんでCTCグレード3から4の化学療法の副作用が生じました。1pと19qの欠失は46%の患者さんでみられて,その生存期間中央値は7年でした。一方,染色体異常がなかった患者さんの生存期間は2.8年でした。でも1p lossがある患者さんが PCV化学療法を受けてもその生存期間が伸びるという事実はありませんでした。逆に化学療法の有害事象が目立ったと書かれています。
解説:PCV化学療法は有効なのでしょうが,初期治療で放射線治療に加えて行っても生存期間を延ばす効果はないようです。ですから初期治療でPCV化学療法を使用する根拠はないと言えそうです。
重要な情報(PCV化学療法は有効ではあるが長期生存率を改善しない)
van den Bent et al.: Adjuvant procarbazine, lomustine, and vincristine improves progression-free survival but not overall survival in newly diagnosed anaplastic oligodendrogilomas and oligoastrocytomas: a randomized European Organization for Research and Treatment of Cancer phalse III trial. J Clin Oncol 24: 2715-2722, 2006
欧州で行われた大規模臨床試験です。グレード3の退形成性乏突起膠腫と退形成性乏突起星細胞腫の368人の患者さんが治療を受けました。半分の患者さんは59.4グレイの放射線治療のみ,残りの半分は同じ放射線治療の後で6コースのPCV化学療法を受けました。観察期間中央値5年の時点で,59%の患者さんが死亡していました。PCV化学療法を受けた38%の患者さんで副作用のために化学療法が中断されています。放射線治療のみの患者さんは再発した時に化学療法を受けています。
生存期間の中央値では,PCVをした群が40.3ヶ月,放射線治療のみが30.5ヶ月です。治療後から再発までの期間はPCVを加えた方が長かったのですが,5年生存割合にはっきりした差がなかったと結論されています。1pと19qの欠失は25%の患者さんにみられこの遺伝子異常を有する腫瘍の患者さんの生存割合は高いのですが,PCV化学療法をしたかしなかったかの差はなかったとのことです。
解説:PCV化学療法を放射線治療に加えてもこの腫瘍が治る確率には差がないでしょうというのが結論です。だとするとPCV化学療法を初期治療で6コースすることにはあまり意味がないのではないかと捉えられます。
メモ(染色体異常の有無で治療効果が変わる)
乏突膠細胞系腫瘍は遺伝子の異常で発生します。第1染色体の短腕と第19染色体の長腕に遺伝子異常があることがわかってきました。特に第1染色体短腕の欠失(1p loss)がある腫瘍では,化学療法や放射線治療が有効なことが多いとの定説があります。ですから,治療の前に1p lossと19q lossを調べようとの試みがなされています。ようやく一般臨床的に調べられるところまでは来ましたが,検査にはちょっと時間がかかります。これでわかることは,1p lossがある腫瘍の患者さんは化学療法で受ける利益が大きくて、そうでない患者さんの腫瘍には化学療法が効きづらいとなります。ですから,これがわかったからといってどのように今ある治療法が変わるかと言うと??現時点では私には想像はつきません
良性の乏突起膠腫の例
認知症で発症した60代男性の乏突起膠腫です。巨大で周囲の脳を圧迫する腫瘍でしたから,手術で部分摘出した後に放射線も化学療法も何もしないで経過観察しましたが,患者さんは社会復帰して仕事に戻れました。その後,無治療で13年が経過した時のMRIです。この13年間にほとんど大きくなっていません。このように高分化型とされる乏突起膠腫には,何もしないで様子を見ても長期間にわたって増大しない良性のものもあります。

良性の乏突起膠腫の例
これは4歳の女の子の左の視床にできた乏突起膠腫です。コンピュータガイドの定位脳手術という方法で生検術をしました。病理像はやはり高分化型なのですが,大きくなると困る場所なので,半定位放射線治療を46グレイあてました。MRIの左側は6年前の放射線治療前,右側は放射線治療6年後のものです。腫瘍は縮小したままで再発しません。


良性の乏突起膠腫の例
これは30歳くらいの若い女性にできた乏突起膠腫です。軽いけいれん発作を生じましたがその後は無症状です。上がT2強調画像で,下がガドリニウム増強像です。CTでは石灰化が散在していました。大脳深部をほとんど埋めるように腫瘍は浸潤して広がっています。脳外科の先生にこの患者さんが無症状だといっても信じてもらえないのですが本当です。




ほんの少しだけ腫瘍をとって(生検術)病理診断を確定しました。


HE染色では,perinuclear haloをもった小型の腫瘍細胞が見られ,また右ではminigemistcyteと呼ばれる小さいけれどeoginophiricな胞体の豊かな腫瘍細胞の出現があり,典型的な乏突起膠腫の像です。

左に細かい石灰化が見られます。右は,グレード2の乏突起膠腫には珍しい血管内皮の増生 gromerulation なのですが,必ずしも悪性像とはいえません。通常の乏突起膠腫と同様にchicken wireと呼ばれるような細かい腫瘍血管網も存在しました。


上から順番に,GFAP染色,OLIG2染色,MIB-1染色 (2%以下) です。
全脳照射30グレイとテモゾロマイド化学療法を2年しました。以来数年がたちますが,とても頭の良い方でちゃんと働いておられます。
この患者さんから学ぶことはたくさんあります。この広範に伸展した腫瘍はおそらく10歳前後から存在したのだと想像されます。未治療だったからこそこれまで通常の生活ができたのかもしれません。 また,グレード2の乏突起膠腫には限りなくグレード1に近い高分化型の腫瘍が存在するということです。乏突起膠腫は手術で完全摘出できれば治るのでしょうが,手術によって認知機能障害や高次脳機能障害を生じれば社会生活を一人ですることは難しくなります。分化型の乏突起膠腫は,正常の神経細胞や脳機能を破壊しないで浸潤増大しますから,脳の中にこんなに広がっても,何の症状も出さないということがあります。同じグリオーマでも膠芽腫などと比べれば大きな差があるのです。治療後の生存の質を考える時に,このような例があるということを思い出すことは大切です。
乏突起膠腫系腫瘍の専門的知識
2007年WHO分類(重要な変更点)
- Oligodendroglial tumours (乏突起膠細胞系腫瘍)
- Oligodendroglioma (WHO grade II, 乏突起膠腫)
- Anaplastic oligodendroglioma (WHO grade III, 退形成性乏突起膠腫)壊死を含んでもよい
- Oligoastrocytic tumors (乏突起星細胞系腫瘍)
- Oligoastrocytoma (WHO grade II 乏突起星細胞腫)
- Anaplastic oligoastrocytoma (WHO grade III, 退形成性乏突起星細胞腫)壊死像を含まない
oligodendrogliomaは乏突起膠腫あるいは稀突起膠腫と訳される。組織学的に純粋な乏突起膠腫は,一般に成人の大脳半球に好発するグリオーマのなかでは比較的に生命予後が良い腫瘍である。高分化型乏突起膠腫が進行して悪性腫瘍となる頻度は低いが,たとえ高分化型であっても時に患者は腫瘍死するため,長期的観点からは乏突起膠腫を良性脳腫瘍とするのは誤りである。しかし,grade IIの中には予後が大きく異なるものも混在しており,高分化型乏突起膠腫の中にはgrade Iとしての性格を有する腫瘍もある。 2007年に刊行されたWHOの新分類では,かつてのmixed gliomas(混合性神経膠腫)は廃止され,oligoastrocytic tumors(乏突起星細胞系腫瘍)と記載されることになった。
また,anaplastic oligoastrocytomaに壊死像を含む腫瘍に関しては,glioblastomaの範疇に入ることとなり, glioblastoma with oligodendroglioma component WHO grade IVと記述する。 Millerらの報告1)によれば,215例のanaplastic oligoastrocytomaの中には33%に壊死像が見られ,生存期間中央値は壊死があるもので23ヶ月,壊死がないものでは87ヶ月であった。WHO分類は,この腫瘍をoligoastrocytoma grade IVとはせずにglioblastoma with oligodendroglial componentとしてastrocytic tumorに含める。 極めて煩雑で注意しなければならないことは,anaplastic oligodendrogliomaは壊死像を含んでも生命予後は悪くはならないのでそのままgrade IIIとされていることである。
これらの病理組織診断は,患者の生命予後予想と治療のintensityの選択に直結するため極めて重要である。しかしながら,従来より乏突起膠腫系腫瘍と星細胞系腫瘍の鑑別診断には大きな混乱があり,実際の臨床の場においてこれらの病理診断が正確に判定できるかどうかは疑問が残る。いずれにしても,乏突起膠腫の像を含む浸潤性神経膠腫は,病理像によって予後にあまりに大きな差異がある腫瘍群であることを認識して,病理診断には慎重に対処しなければならない。
a. 病因・病理
Oligodendroglial tumoursはさらに,高分化型のOligodendroglioma(乏突起膠腫)と悪性度の高い Anaplastic oligodendroglioma(退形成性乏突起膠腫)があり,Oligoastrocytic tumorsには,Oligoastrocytoma(乏突起星細胞腫)とAnaplastic oligoastrocytoma(退形成性乏突起星細胞腫)に分けられている。この章ではこれらの腫瘍を解説する。
稀ならず乏突起膠腫は,星細胞腫の組織像を含みoligoastrocytomaとして診断される。さまざまな程度に,乏突起膠細胞が優位なことも,星細胞が多いこともある。この混合性神経膠腫は,臨床像が星細胞腫に近いとの意見から,かつて星細胞腫の範疇で議論された。しかし近年,腫瘍生物学的見地あるいは治療反応性などから乏突起膠腫により近い性格を有する腫瘍であるとの見解が多く,実際に放射線化学療法反応性も星細胞系腫瘍よりは良い。
乏突起膠腫と乏突起星細胞腫は,第1染色体短腕や第19染色体長腕上の遺伝子変異によって発生するものと推定され,乏突起膠腫の腫瘍発生にかかわる腫瘍抑制遺伝子が存在するとする報告が認められる。
古くはKernohanの分類 (Kernohan 1949),Daumas-Duportの分類 (Daumas-Duport 1989),WHO分類(Zulch 1979) に準じて組織学的な悪性度をgrade I~IVに分けて議論されたが,現在のWHO分類はgrade IIとgrade IIIに分類しgrade IVは削除されている。さらに近年では第1染色体短腕決失(1p loss)の有無で臨床像が論じられる。
かつて側脳室内乏突起膠腫とされたものは乏突起膠腫ではなく,ほどんどが神経細胞起源の中枢性神経細胞腫(central neurocytoma)である。この腫瘍は,手術による摘出のみでも再発することは稀なきわめて予後良好な腫瘍であり乏突起膠腫との鑑別を慎重に行う必要がある。免疫組織染色や電顕所見を併せての病理診断が必要である。
『乏突起膠細胞系腫瘍の疫学』
欧米からの報告では,乏突起膠腫と乏突起星細胞腫をあわせても,原発性脳腫瘍の内で4~5%程度の比較的まれな腫瘍とされる。Norwayでの25年間にわたる調査(1953年~1977年)では,208例の乏突起膠腫が登録され,原発性脳腫瘍のうち4.2%を占めたと報告されている。2009年のDenmarkからの報告では、人口10万に対して0.4例ほどの発生率であり、男女差はない。
日本の脳腫瘍全国集計調査報告(1984年~1990年)によれば,乏突起膠腫は原発性脳腫瘍中の1.3%であり,malignant oligodendrogliomaは0.2%,mixed gliomaが0.5%である。仮にmixed gliomaすべてを含めても,全体で2%と,統計データで見る限り日本における発生頻度は非常に低い。しかし,近年では日本においても乏突起膠腫系腫瘍と診断されるグリオーマの頻度は飛躍的に高くなっており,これを反映する正確な統計はない。
脳腫瘍全国集計調査報告(1984年~1990年)によれば,乏突起膠腫の年齢分布は20~50歳代に多く,40歳代にピークがある成人の腫瘍である。悪性型は中高年層に多い傾向がある。男女比は149対160例とほぼ同数である。悪性乏突起膠腫は27対13例とやや男性に多い。発生部位は前頭葉,側頭葉,頭頂葉,後頭葉と大脳半球の表層部に多い。特に前頭葉に好発し,稀には間脳や脳幹部,小脳あるいは脊髄に発生する。進展傾向は一側大脳半球にとどまるものが54%であり,正中方向へ12%,対側へ8%,脳室系へ21%となっている。ただし,この脳室系進展例にはcentral neurocytomaが若干含まれるのかもしれない。乏突起膠腫の髄液播種は他のグリオーマと異なり稀である。Norwayからの報告では,208例中の2例に髄液播種が認められ,その頻度はわずかに1%以下である。中枢神経系外への転移は,さらに少なく例外的なものである。
『神経症候』
大脳表層に近く発生しかつ緩徐に増殖する腫瘍であるので,急激な神経症状の悪化を見ることは少なく,症候性てんかん(symptomatic epilepsy)で発症することが多い。その他の初発症状としては,発生した大脳の部位に応じての緩徐進行性の局所性神経脱落症状をみる。膠芽腫とは対照的に,頭痛や嘔吐などの強い頭蓋内圧亢進症状を呈することは稀である。診断時の神経症候としては,脳腫瘍全国集計調査報告(1981年~1990年)によれば,巣症状が50%,他覚的所見をともなう程度の頭蓋内圧亢進症状が22%,頭痛などの自覚症状のみのものが17%である。
高分化型の乏突起膠腫では,てんかんなどで発症して何年も経過した後に,巨大な腫瘍となってから発見されることがある。Norwayの統計(1953年~1977年)によれば,診断までの症状の継続期間は,中央値で2.9年,平均値で4.3年と非常に長い。初発症状は,57%がけいれん発作であり,22%が頭痛であった。Mayo Clinicの集計(1960年~1982年)では,88%の患者がけいれん発作を呈しており,発症から診断までの経過の中央値は2.9年であったとしている。これらの統計はやや古いものであるが,多くの乏突起膠腫が非常に緩徐に増殖しうるグリオーマであることをよく示している。
最近本邦では,てんかん発作を生じればすぐさまCTやMRIなどの画像診断がなされるのが通常であるので,きわめて早期の腫瘍像を捉えることが可能となっている。この進歩は,治療法の選択や予後のデータを,過去の報告と大きく変える結果に結びついていくことであろう。
『診断』
頭蓋単純写で大きな石灰化を呈するものが発見されることがあるが,乏突起膠腫の診断のためにはCTあるいはMRIが必須である。明らかにMRIのほうがCTより乏突起膠腫の描出率が高い。CTでは,石灰化や腫瘍嚢胞を伴う境界不鮮明な低吸収域として捉えられ,特にこの石灰化の所見は星細胞腫との鑑別診断に非常に重要な所見である。概してMRI-T1強調画像では低信号となり,T2強調画像では高信号域となる。T2強調画像での腫瘍内部のコントラストがより強く,石灰化の部分は強い低信号域として,嚢胞は均一な強い高信号域として,周囲脳組織浮腫あるいは腫瘍浸潤部は高信号域として描出される。Gadoliniumによる造影では,悪性度が高くなるにつれて部分的な増強像をみる。腫瘍血管や腫瘍濃染像を見ることはないので脳血管撮影の意義は低い。
『治療』
20年あまりの非常に長い経過をとるものから,悪性神経膠腫として発症後1年以内に死の転掃をとるものまで多様な臨床像を示すので,病歴と年齢,画像所見を考慮して慎重に治療方針を立てる必要がある。数十年におよぶてんかんの既往を有する高齢者で,画像上石灰化を伴う乏突起膠腫が疑われても,抗けいれん剤の投与のみで経過をみても良いであろうし,また,MRIで腫瘍増強像を著明に伴う明らかに悪性度の高い乏突起膠腫が疑われれば,手術と放射線化学療法を用いて治療計画を立てるべきである。その中間群においては定位的腫瘍生検術も選択肢となる。
『手術』
病理組織像で認められる特性として,周辺脳組織とくに周辺皮質内の神経細胞周囲,血管周囲,軟膜下へと浸潤性格を示すので完全摘出は難しい。しかし,乏突起膠腫の浸潤能は星細胞腫よりは低く,高分化型のものでは時に全摘出も可能である。高分化型の乏突起膠腫は本来予後が良好な腫瘍であり,また一方,退形成乏突起膠腫では術後の放射線化学療法も有効であるので,いずれにしても大きな神経脱落症状をきたすような無理な手術はしない。
脳腫瘍全国集計調査報告(1981年~1990年)によれば,95%以上の手術摘出ができた症例は39%である。星細胞系腫瘍の95%以上摘出率が2割強であるのと比べれば,同じグリオーマであっても乏突起膠腫が比較的摘出しやすい腫瘍であることがわかる。術後に大きな障害となる神経脱落症状を残さない限り摘出を計る。
腫瘍は,正常脳組織よりやや弾性があるが柔らかく出血に乏しい。さまざまな大きさの石灰化を含むために,硬くざらざらとした部分がある。肉眼的には腫瘍中深部では灰白色から薄い褐色調を呈して正常脳組織と鑑別ができ,壊死や腫瘍内出血をみることはまれである。腫瘍の境界部では白質に近い白色となり正常脳組織との判別が困難になる。
可能であれば肉眼的に全摘出したほうが生命予後は明らかに良い。Mayo Clinicでの81症例の分析では,全摘出された症例の生存期間中央値が12.6年であり,術後残存腫瘍のあった症例では4.9年であったという。Norwayの170症例の解析においても全摘出が行われた症例の生存率は有意に良好であったとされる。
てんかん発作のみで発症した例では,術前の神経脱落症状はないので特に注意を要する。いわゆるてんかんの外科のごとく,腫瘍組織の摘出とともに術中の脳波モニターを併用して,てんかん焦点の除去を主目的とする手術になることがある。しかし,側頭葉に発生した高分化型腫瘍では腫瘍を全摘出することによっててんかん発作の消失を期待し得るという報告や,腫瘍の摘出のみにとどめて周囲のlobectomyを加えないほうが成績がよいとの意見が多い。
『放射線治療』
術後にMRIで残存腫瘍が明らかに捉えられ,かつ病理所見で退形成性乏突起膠腫あるいは退形成性乏突起星細胞腫と診断されたものには放射線治療を加える。再発は中枢神経内転移あるいは播種ではなく,原発腫瘍発生部位に生じるので全脳照射は用いない。退形成性乏突起膠腫では局所照射で50Gy~60Gy程度の照射が一般的である 。また全摘出ができた高分化型乏突起膠腫では放射線治療を用いない。その他の場合には現時点では一定の見解がない。
Lindegaardらの170例(乏突起膠腫と退形成性乏突起膠腫を含む)の報告では,肉眼的に全摘出された腫瘍に対する放射線治療の意義は認められなかった。しかし,術後残存腫瘍のある例では照射群が生存期間中央値37カ月,非照射群が26カ月となり放射線治療の有効性をみている。しかし,さらに長期間の観察例で比較するとその差は小さくなり,放射線治療の長期生存に与える影響は少ないと結論している。また,40~50Gyと50~60Gyの照射例では有意差がないとの結果であった。一方,Mayo Clinicのシリーズ(乏突起膠腫と退形成性乏突起膠腫を含む)では,50Gy以上の照射がなされた群での生存期間が,それ以下のものに比して有意に長いとの結果である。
乏突起膠腫に放射線治療が有効であるか否かは議論のあるところであるが,特に,高分化型のものにははっきりした有効性は証明されていない。高分化型乏突起膠腫では,経過観察して腫瘍増大があれば放射線治療を考慮するのがよい。Iodine-125を用いたinterstitial radiosurgeryの報告でも,乏突起星細胞腫の5年生存率80%に対して,乏突起膠腫では58%との報告があり,高分化型乏突起膠腫の放射線感受性は低いようである。
脳腫瘍全国集計調査報告(1981年~1990年)によれば,乏突起膠腫のうち手術後に放射線治療を加えられた症例は66%であり,手術治療のみがなされた症例が34%となっている。悪性乏突起膠腫でも同様に67%が放射線治療を受けており,本邦においては乏突起膠腫の組織学的悪性度による放射線治療の適応には差がみられていない。
『化学療法』
悪性度の高い乏突起膠腫は化学療法感受性が高い神経膠腫であり,アルキル化剤を基準とした化学療法が有効であるとの臨床試験報告が相次いでいる。用いられる薬剤は,CCNU, BCNU, ACNU, procarbazine, vincristine, cisplatin, etoposide, melphalan, 5-fluorouracil, temozolomideなどである。
現時点で最も治療成績の良い化学療法としてtemozolomideとPCV化学療法が挙げられる。PCVとは,procarbazineとCCNUとvincristineの3剤を併用する化学療法であり,6週間毎に繰り返す投与方法が用いられる。しかしながら,この化学療法単独では寛解導入は可能なものの多くの場合治癒は期待できず,放射線治療との併用補助療法としての有効性が高いと捉えるべきであろう。副作用として最も問題となるのは骨髄抑制である。Cairncrossらは,このPCV療法が単独で進行性の乏突起膠腫19例中の18例に有効であることを示した。 Kimらは,anaplastic oligodendrogliomaとGrade III~IV oligoastrocytomaにPCV療法を放射線治療と伴に,あるいは先行して用いて91%の有効率(CR+PR)を得たと報告している。これらの有効率は,画像上での50%以上の腫瘍縮小を基準に判断されているので信頼性があり注目すべき治療法の進歩ともいえる。なぜならば代表的なグリオーマである星細胞系腫瘍では,化学療法単独で腫瘍の縮小効果をみることはきわめて稀であるからであり,この両者のグリオーマの化学療法感受性の差異は大きい。PCV化学療法は,化学療法の後に再発した乏突起膠腫にも有効であるが,先行する治療ですでにPCV療法が用いられているときには効果がない。
わが国においては,PCV化学療法のCCNUの代わりにACNUを用いるPAV療法の報告を散見するが,まとまった成績は未だ見られない。この他,cisplatinとetoposideの併用,あるいは5-fluorouracilとfolnic acidの併用が,退形成性乏突起膠腫に有効であるとの報告もある。高分化型神経膠腫でかつ臨床的な悪性度の低い乏突起膠腫(indolent oligodendroglioma)には化学療法を用いない方が良い。さらに最近では経口投与が可能なアルキル化剤であるtemozolomideが乏突起膠細胞系腫瘍に有効であることが報告された。また,この薬剤は単独でもPCV化学療法より有効性が高かったという研究結果もある。temozolomideは日本においても今後は第一選択役として期待されるものである。
『予後』
神経膠腫の中では乏突起膠腫の予後は良好といえる。しかしながら脳腫瘍全国集計調査報告(1986年~1990年)によれば,乏突起膠腫の5年生存率は83.5%であり,また退形成性乏突起膠腫の5年生存率は41.6%と腫瘍死する患者も多く,決して良性腫瘍と呼称し得る疾患ではない。高分化型の乏突起膠腫に限っては1969年~1975年の5年相対生存率54.5%,1976年~1980年が75.1%,1981年~1985年が80.4%,1986年~1990年が83.5%と治療水準の向上とともに改善傾向にある。Mayo Clinicの追跡調査では,1960年~1982年に手術治療を受けたGrade IとII(Kernohanの分類)の乏突起膠腫患者の5年生存率は75%,10年生存率は46%であり,Grade IIIとIVでは,41%と20%であったと報告されている。概ね現在では,高分化型の乏突起膠腫の5年生存率は80%程度と考えられる。
悪性度の高い退形成性乏突起膠腫(anaplastic oligodendroglioma)と退形成性乏突起星細胞腫(anaplastic oligoastrocytoma)の間には,明らかな生命予後の差異があり,星細胞を混じない退形成性乏突起膠腫の方が良好である。病理検査での血管増生・核分裂像・壊死像・核細胞質異型性のうち最も生命予後に関連する所見は,壊死像の存在である。年齢が高いほど,診断時の症状が悪いほど腫瘍関連死までの期間が短い。また一方,退形成性乏突起膠腫の生命予後は,星細胞系腫瘍の多形膠芽腫や退形成性星細胞腫と比較すれば良好である。
高分化型乏突起膠腫の長期生存例では,神経脱落症状やperformance statusは比較的良好に保たれている例が多い。しかし,心理テストなど精神医学的な精査を行えばいわゆるcognitive functionの低下例は多く,特に若年者での放射線治療の長期的影響が問題となっている。
文献
1. Miller CR, et al.: A significance of necrosis in grading of oligodendroglial neoplasms: a clinicopathlogic and genetic study of newly diagnosed high-grade gliomas. J Clin Oncol 24: 5419-5426, 2006
2. Nielsen MS, et al.: Incidence of and survival from oligodendroglioma in Denmark, 1943-2002. Neuro-Oncol 11: 311-317, 2009
