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序文
高齢化社会を迎えて褥瘡はすべての医療スタッフがもっとも遭遇する機会の多い全身疾患の一つとなりつつある。また、介護保険の導入に伴い、在宅医療においても今後ますますその重要性が認識されるべきであろう。
褥瘡は、従来、経験と勘により治療されてきたが、看護領域では科学的予防やケアのアプローチが普及し、ET・WOCナースなどの専門職制度とも連動して、いま褥瘡に対する大きな意識変革が起きつつある。また、1998年に発表された厚生労働省監修の「褥瘡の予防・治療のガイドライン」により、スタンダードな治療方針が提示され、臨床医の関心も高まりつつある。その背景には、創傷治癒理論の進歩を反映させた合理的な治療法の登場があることも見逃せない。しかし、未だ医療スタッフの関心や理解は必ずしも十分とはいえない。このような我が国の現状を踏まえ、褥瘡の予防 ケア・治療におけるさらなる研究や実践を目指して1999年に日本褥瘡学会が設立された。今後は本学会が主体となってガイドライン策定などに当たることになろう。
本書は、褥瘡の最新情報をあまねく伝えるという視点から、すべての医療スタッフに褥瘡をめぐる最近の進歩や予防・ケアの現況をわかりやすく解説することを目的に、日本褥瘡学会学術委員会の二人が編著となりまとめたものである。本書から褥瘡医療への熱い息吹を感じていただき、明日からの褥瘡診療にいささかでもお役に立てば幸いである。
平成13年6月 宮地良樹・真田弘美
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