第44回日本呼吸器学会九州地方会一般演題抄録
演題番号: B21
胸部X線上結節影を呈し診断に苦慮したPryce I型の肺分画症の2例久留米大学第一内科
○田口 和仁、渡辺 尚、一木 昌郎、
木下 正治、力丸 徹、大泉 耕太郎
同胸部外科
松尾 敏弘、林 明宏
症例1は61歳女性。ルーチン胸部X線写真にて腫瘤陰影が発見されたが症状は全くなかった。胸腔鏡下に切除し組織学的に結核を随伴した肺分画症であった。症例2は44歳女性。胸部X線写真にて腫瘤陰影とさらに空洞内にニーボーを呈し症状は全くなかった。肺化膿症を疑ったがヘリカル3D-CT、血管造影検査にて腹部大動脈より栄養された肺分画症であった。 今日、肺分画症の診断に対してヘリカル3D-CTが広く用いられてきており今回我々もこのヘリカル3D-CTにて診断できかつ血管造影と比較においてもCTの所見とも血管走行において比較的合致しており非常に有効な診断法であることが確認できた。 治療は従来胸腔鏡下に潅流肺底区域切除と異常動脈結紮切離の両方が施行されたが、近年、病変が軽度と判断されれば手術術式として異常血管の処理のみでよい可能性もあるという報告もあり今後、肺分画症、特に肺底区動脈大動脈起始症に対しての治療術式はさらに検討されるべきであると考えられた。 |
受付番号:S005