第44回日本呼吸器学会九州地方会一般演題抄録
演題番号: D11
尿中抗原にて診断したレジオネラ肺炎の2例長崎大学医学部第二内科
◯小林 奨、金子幸弘、青木志保、黒木美鈴、
岩川 純、大井英生、柳原克紀、大野秀明、
東山康仁、宮崎義継、河野 茂
レジオネラ属による肺炎は、β-ラクタム薬が無効で、重症化しやすく、注意が必要な市中肺炎の一つである。今回、我々は、尿中抗原により診断したレジオネラ肺炎を2例経験したので報告する。 症例1は52才男性、咳嗽と全身倦怠感を主訴に平成12年1月14日当院総合診療部受診、胸部レントゲンにて右下肺野に浸潤影を認めるため、当科外来受診。低酸素血症と高度の炎症反応(CRP 44.48mg/dl)と白血球増多(19300/μl)を認めたため、同日入院となり、重症肺炎として EM+PAPM/BP の点滴を開始した。翌日のレジオネラ尿中抗原陽性より、レジオネラ肺炎と診断した。 症例2は60才男性、発熱、呼吸困難を主訴に平成12年1月25日救急車にて近医総合病院受診、左下肺野に浸潤影を認めたため同日同病院入院し、PIPC、PAPM/BPにて治療するも左浸潤影が増悪するため2月2日当院転院。当院入院時の尿中抗原陽性よりレジオネラ肺炎と診断した。診断後は両症例とも、EM点滴を中心とした治療にて軽快した。 以上の2症例の経験から尿中抗原の検出はレジオネラ肺炎の迅速診断に有用であると考えられた。 |
受付番号:P079