第44回日本呼吸器学会九州地方会一般演題抄録

演題番号: B27

肺気腫症についての外科治療適応群と非適応群の検討

福岡大学呼吸器科
○豊島秀夫、石橋正義、西田富昭、白石素公
 村上英毅、久良木隆繁、渡辺憲太朗、
 吉田 稔
同第二外科 岩崎昭憲、白日高歩


[目的] 近年、肺気腫症に対して肺気量減少術 (lung volume reduction surgery, LVRS) が施行されるようになった。福岡大学病院における同治療の適応群と非適応群における臨床症状、理学所見、呼吸機能所見、胸部画像所見について比較検討した。
[対象] 1993年以降、LVRS適応検討のため入院した165症例 (男性148例、女性17例)のうち適応群は83例(66.9±7.6才)、非適応とされたのは82症例(70.9±5.5才)であった。
[結果] 一般身体所見、臨床検査では全体的に両群に大きな差異はなかった。適応群の FEV1.0は1995年までは 370mlから 1870mlまで広く分布していたが、その後の症例ではほぼ 500mlから 1000mlの間にあった。非適応の理由としては 1) 内科的治療により自他覚所見の改善したもの 2) 画像所見上、気腫性変化がほぼ均一なものが多く、呼吸機能上では適応群より軽症である傾向が認められ、高 CO2血症、高度な肺高血圧症を伴う症例は極く少数であった。
[結論] 非適応群では、外科治療による効果が余り期待出来ないものが多く、充分な内科的治療に対する反応性を見て適応を検討する必要性のあることが示唆された。

受付番号:P074


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