第44回日本呼吸器学会九州地方会一般演題抄録

演題番号: B17

喫煙を契機に発症した急性好酸球性肺炎の2例

大分医科大学第3内科
○平島詳典、重永武彦、村松知子
 宮崎英士、松本哲郎、杉崎勝教
 津田富康


 症例1は21歳男性。大量の喫煙を始めた数日後より発熱、呼吸困難、乾性咳嗽が出現。近医にて低酸素血症(PaO2 60 Torr)、胸部スリガラス状陰影を認めたため当科入院となった。BAL にて好酸球増多(50%)、TBLBにて好酸球浸潤を伴う胞隔炎を認め急性好酸球性肺炎と診断した。無治療にて症状軽快後、喫煙負荷試験にて咳嗽増強、軽度血清・BAL中の好酸球増加を認めた。退院後喫煙を再開しているが再発は認めていない。
 症例2は2ヶ月前からの濃厚な喫煙歴をもつ15歳男性。乾性咳嗽、発熱、呼吸困難にて近医受診。胸部Xpにて両側スリガラス状陰影を認め当科入院となった。BAL にて好酸球増多(52%)を認め、急性好酸球性肺炎と診断した。症状はステロイド治療にて速やかに改善した。未成年であったため受動喫煙による負荷試験を施行したが、陰性であった。退院後喫煙を再開しているが再発は認めていない。
 最近、本症の発症に喫煙の関与を示唆する報告が多くみられ、上記2例も喫煙が原因と考えられた。しかし、他報告と同様、2例とも再喫煙による再発は認めておらず、このメカニズムについて今後の検討が必要と思われる。

受付番号:P073


[戻る]