第44回日本呼吸器学会九州地方会一般演題抄録
演題番号: B10
家族内発生が疑われた特発性間質性肺炎の1例琉球大学医学部第一内科
〇當山雅樹、伊志嶺朝彦、屋良さとみ、
宮里明子、斎藤 厚
[はじめに] 我が国における特発性間質性肺炎の調査では家族内発生は6~10%と報告されている。今回我々は同胞間での家族内発生が疑われた特発性間質性肺炎の症例を経験したので報告する。 [症例] 38歳女性・事務職員。喫煙歴および粉塵暴露歴なし。平成11年10月、乾性咳嗽で近医受診した際、胸部異常陰影(びまん性間質性陰影)を指摘された。身体所見は肺野聴診上正常。炎症所見では血沈亢進、LDH軽度上昇の他ほぼ正常。ACEも正常であった。診断がつかないまま経過観察されていたが、平成12年2月、咳嗽の増強とともに胸部写真上陰影の増強が認められたため精査目的に当科紹介入院となった。当科入院後BAL施行されたが、白血球分画は正常であった。3月8日胸腔鏡下肺生検が施行され、病理所見はUIPであった。その後咳嗽症状は改善したことから、現在は外来において経過観察中である。 本症例の姉が平成2年特発性間質性肺炎と診断され、平成6年44歳で死亡していた。 2症例とも青年期発症の特発性間質性肺炎であり、比較的希な家族内発生が疑われた。 若干の文献的考察も踏まえ報告する。 |
受付番号:P072