第44回日本呼吸器学会九州地方会一般演題抄録
演題番号: B03
びまん性スリガラス状陰影を呈し生前に診断確定した血管内リンパ腫症(Intravascular Lymphomatosis;IVL)の一例鹿児島大学第2内科
○副島賢忠,東陽一郎,長濱博行,吉元康二,
四元克彦,寒川卓哉,有馬暉勝
今村病院分院血液内科 竹内昇吾,宇都宮與
鹿児島市医師会病院病理部 清水 健
51歳,男性.当初から全身倦怠感,乾性咳嗽を訴え,胸部レ線でびまん性スリガラス状陰影を認めた.意欲の低下が軽度にみられ,貧血および著明な高 LDH 血症を伴った.明らかなリンパ節腫大なかったが,骨髄生検で Malignant lymphoma, diffuse large cell type (B-cell type)と診断され,経気管支肺生検,病理像で血管内にB細胞系の lymphoma cell を認めた.本症例はその後の化療に著効を示し,現在もなお生存中である. IVLは,中枢神経系をはじめとする全身諸臓器の血管内腔で腫瘍細胞が増殖する悪性リンパ腫の特異な一型である.IVLの症状は多彩で進行も急速なため生前診断の困難な例が多い.われわれは,びまん性スリガラス状陰影を呈し,生前に診断確定した血管内リンパ腫症を経験した.しばしば初発症状に神経症状を伴い,急激に進行しうる本症が疑われる場合,病初期においては病変部組織の血管内腫瘍細胞の存在について詳細な検討が必要と思われた. |
受付番号:P071