第44回日本呼吸器学会九州地方会一般演題抄録

演題番号: C19

2cm以下の肺野型肺癌の検討

長崎大学熱帯医学研究所内科
○土橋佳子、大石和徳、永武 毅


[対象] 平成7年4月より平成12年3月までの5年間に当科入院となった肺癌患者105名のうち長径が2cm以下であった肺野型肺癌14例について発見動機、組織型、stage分類、確定診断法などについて検討した。
[結果] 14例の内訳は年齢43~79歳(平均67.4±11.2歳)で男7例、女7例。喫煙歴は男性は全員に見られ、平均BIは824、女性は3名で平均BIは367であった。病変の大きさは最小のもので径1.0cm。CT発見肺癌の2例を除き病変は単純胸部レ線で指摘可能であった。発見動機は肺癌検診2例、医療機関の定期検診5例、偶然の検査7例。組織型は10例が腺癌、1例が腺扁平上皮癌、2例が扁平上皮癌、1例が小細胞癌であった。喀痰細胞診で陽性となったものが1例、TBLBで診断確定したのは3例で、7例はCTガイド下肺生検で確定。外科手術によるものは3例(VATS2例、開胸手術1例)であった。14例中、stageIAが11例でうち10例が外科的切除を施行しえた。
[結語] 小型の肺野型肺癌は画像上、良性疾患と鑑別困難で、TBLBによる確定診断不可能な場合も多い。その場合確定診断にはCTガイド下肺生検や、VATSが有用であった。

受付番号:P070


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