第44回日本呼吸器学会九州地方会一般演題抄録
演題番号: D26
気管支喘息と間質性肺炎を合併した進行性全身性硬化症の一例長崎県立成人病センター多良見病院
○福島喜代康、江原尚美、藤田紀代、奥野一裕
長崎大学第二内科
門田淳一、下田照文、河野 茂
症例は、38歳男性。主訴は咳、痰。1996年12月頃より Raynaud現象出現。1997年12月頃より皮膚がやや黒くなり、1998年10月より咳出現、12月人間ドック受診し胸部異常陰影を指摘され、1999年1月13日当院紹介となった。胸部X線では、両側中下肺野にスリガラス状陰影と両側下葉の容量減少を認めた。胸部 HRCTでは両下肺背側の肺野濃度上昇を認め、間質性肺炎の精査目的で入院した。夜間の咳、喘鳴発作あり、気管支喘息(非アトピー型)と診断し気管支拡張剤で治療した。リュウマチ因子、抗核抗体、抗scl-70抗体が陽性で、手指のソーセージ様腫脹、皮膚の硬化(四肢、顔、体幹)および舌小体短縮を認め進行性全身性硬化症と診断した。BAL液では、総細胞数 3.7 x 105/mlと増加し、細胞画分はリンパ球比率6.9%、好中球4.2%、好酸球9.6%で、CD 4/8比は0.98であった。胸腔鏡下肺生検では病理学的にUIPパターンであった。 以上、気管支喘息と間質性肺炎を合併した進行性全身性硬化症の一例を経験したので報告する。 |
受付番号:P067