第44回日本呼吸器学会九州地方会一般演題抄録
演題番号: B12
Ticlopidine(パナルジンTM)による薬剤性肺炎の一例国立病院九州医療センター呼吸器内科・臨床研究部
○西本光伸、石堂考一、橋本亘、富岡竜介
斉藤聖子、矢野敬文
久留米大学第一内科
大泉耕太郎
症例は71歳男性、狭心症、高血圧、陳旧性脳梗塞にて近医にて内服加療中であった。平成11年8月から咳嗽出現、胸部X線検査にて移動性の浸潤影を認め、抗生剤投与にて軽快、増悪を繰り返すため当院紹介、受診。胸部CT検査にて多区域にわたる淡い肺野濃度の上昇を認めた。Ticlopidine中止後、胸部X線所見の速やかな改善を認めた。BALFにてリンパ球の著増、CD4/8の低下を認めた。 投与された各種薬剤のDLSTでは Ticlopidine に対し陽性であった。以上より Ticlopidine による薬剤性肺炎と診断した。Ticlopidine による薬剤性肺炎は稀であるが、今後の生活習慣病の増加に伴い使用頻度の増加が予想され、十分な注意が必要であると考えられた。 |
受付番号:P066